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近代ヨーロッパの形成 商人と国家の近代世界システム 創元世界史ライブラリー

玉木俊明

User Review :5.0
(1)

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784422203362
ISBN 10 : 4422203363
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2012
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

近代とは、ヨーロッパの世紀であった。ヨーロッパはいかにして他地域に先んじて経済発展を遂げ、主権国家体制を整え、やがて世界各地に植民地をつくるまでに強大化できたのか。何がヨーロッパの近代化を可能ならしめたのか。アントウェルペンを起点とする商人ネットワークの拡大、産業革命、財政=軍事国家など多岐にわたるテーマを関連づけ、近世の経済発展から主権国家の誕生までを多面的かつ具体的に論じる。

目次 : 序章 近代ヨーロッパ形成を読みとく視点/ 第1章 商人と国家が織りなす世界史―近代世界システムとグローバルヒストリー/ 第2章 商人ネットワークの拡大―アントウェルペンからロンドンまで/ 第3章 「情報」が変えた世界―商業活動と国家の関係/ 第4章 主権国家の成立―財政と商業からの視点/ 第5章 大西洋貿易の勃興とヨーロッパの経済成長―各国の貿易と帝国間貿易/ 第6章 近代世界の誕生―フランス革命からウィーン体制期の経済史/ 終章 近代ヨーロッパの形成―国家と商人と情報と

【著者紹介】
玉木俊明 : 1964年大阪市生まれ。同志社大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科(文化史学専攻)博士後期課程単位取得退学。現在、京都産業大学経済学部教授(西洋経済史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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近代の形成における商人と国家の役割を解説...

投稿日:2021/04/18 (日)

近代の形成における商人と国家の役割を解説した本。 博士号持ちの著者の本は、やはり面白い。 玉木氏は博士(文学)をお持ちのようだ。 近代史(近代の形成)は、経済史(経済発展の過程の記述)とも重なる。 歴史本は、本数を重ねるほど面白さが増していく。

一ユーザー さん | 不明 | 不明

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Book Meter Reviews

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  • 左手爆弾

    ウォーラーステインの近代世界史ステムを批判的に継承し、また限られた文献でのみ読み取ろうとするグローバルヒストリーの手法を批判しながら、近代世界の成立を描く。筆者は単に資料が語ること以上に、リアルなものの流れ、さらには情報の流れに注目する。アントウェルペンの商人離散を期に、離れていても等質なシステムが出現し、それによって国家の政治的領域に縛られない商業空間が成立したことを重要視している。商人の自由な活動が政治に先行して統一をもたらしたという視点は重要であろう。あとがきでは歴史研究の方法について熱く語る。

  • 人生ゴルディアス

    とても刺激的な読書体験だった。近代の「ヨーロッパの時代」はいかにして形成されたかについて、欧米の先行研究を批判的に論じながら著者の主張(まずある都市にノウハウが蓄積し、政治的な理由で離散民となった者たちによって技術とネットワークが拡散され、その時代で最もネットワークをうまく使ったものが勝者となってきて、その最後の勝者がイギリスであった)が織りなされるが、ものすごい量の論点が出てきて打ちのめされる。ここも復習しなきゃ、この論点の本も買わなきゃ…と目が回るが、とても楽しい一冊だった。

  • hurosinki

    再読。近世、北方ヨーロッパの大都市アントウェルペンには膨大なモノ・カネとともに、宗教的寛容から人々と情報が集積していた。スペインの脅威を受け、16世紀中盤〜17世紀前半にかけて多くのアントウェルペン商人がロンドン、アムステルダムに移住する(ディアスポラ)。こうして商業知識を共有する三都市からなる巨大な経済圏が北西ヨーロッパに出現した。書類様式など商業知識の均質化には商人の移住のみならずグーテンベルク革命による『商人の手引書』の大量出版、取引所からの商業新聞の印刷も寄与していた。ここが本書のキモになる。

  • 預かりマウス

    この著者の本は何冊も読んできたが、本書もわかりやすく面白い書。ウォーラーステインの「近代世界システム」論やグローバルヒストリーを批判的に摂取しながら、財政−軍事国家の経済政策と、国際的な商人ネットワークが近代ヨーロッパの形成に大きく寄与したと立論する。産業革命の虚実を巡る様々な議論についても扱われている。あとがきでは歴史叙述に係る著者の考え(歴史叙述は個別史料の集積では有り得ず、歴史家が全体を見通す力が重要)が述べられており、こちらも中々面白い。

  • 陽香

    20120910

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