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負けんとき下 ヴォーリズ満喜子の種まく日々 新潮文庫

玉岡かおる

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101296227
ISBN 10 : 4101296227
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2014
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

運命に翻弄されながらも、自らの人生を切り開いていった男女の姿を描く、感動の大作。

キリスト教伝道のため来日し、近江兄弟社を設立したW・メレル・ヴォーリズは、関西学院、軽井沢ユニオン教会などを手掛けた建築家としても知られる。留学から帰国した満喜子は、メレルと出会い、周囲の猛反対を押し切って、結婚する。近江八幡に居を構え、幼児教育に邁進する彼女と日本に帰化した夫の前に、様々な困難が待ち受けていた――。二人の愛に満ちた生涯を描く感動の長編。

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO

    近江兄弟社というのは、メンタームでしかあまり知りませんでした。もともとは、ヴォーリズという人物が設立したようで建築家としてもかなりの功績を残したようです。ニッカの創立者と似たような境遇ですね(夫婦が日本人と外国人で逆ですが)。上巻に続く感じでしたのでもう少し外国の生活を書いていただき3巻くらいにしてもいいのではないかと思われました。ただあまり知らない人物をいつもこのような物語に仕立て上げてくれる作者の感謝です。

  • かっぱ

    「負けんとき」と「御免被り候」。どちらも満喜子の言葉で、読後に残る言葉。メレルは米来留になり日本に帰化。関東大震災と第二次世界大戦という大きな波を乗り越えた近江兄弟社も時代の流れで当初の大らかな社風を保てなくなる。34歳で結婚して子供を持たなかった満喜子であるが、学校経営を通して多くの子供たちを育て世に送り出した。解説は満喜子の母校、そしてヴォーリズ建築である神戸女学院大学の名誉教授・内田樹氏。ヴォーリズ建築を訪れる時、夫妻の大きな愛を感じることだろう。

  • 真理そら

    『屋根をつくる人(門井慶喜)』の予習として読んでみた。ヴォーリス満喜子になるまでの華族令嬢、大名の姫君という立場に縛られて、何かしたいけれど何をしたいのか、どうすればいいのかを悩む満喜子の姿が丁寧に描かれている。上巻の途中までは妻妾同居に悩む女等じめじめした話題が多かったが、そういう描写も満喜子の性格を形成する要素として重要だったのかもしれない。斯波与七郎という人は実在している。が、養子・佑之進はどうだろうか。この作品に登場する広岡浅子も魅力的だ。

  • kawa

    下巻は満喜子とヴォリーズ氏との結婚と恩人たちとの別れ、近江八幡での理想郷造りの巻。読みどころは、因習に囚われる地元の人々の反発、太平洋戦争の際の当局の取り締まりに如何に対応するか辺り。上巻に比べると波乱万丈度はやや劣り気味。

  • すのーまん

    支えあう人が隣にいると、こんなにも強くなれるのか。上巻ではまだ迷走中だった満喜子が、メレルとともに歩み出し、どんどん強くたくましくなってゆく。佑之進との別れ、華族からの離脱、国際結婚、八幡での暮らし、戦中の酷い扱い…その都度嵐のような困難が巻き起こるのに、力強く立ち向かう満喜子とメレルの姿に涙が出ました。近代国家として未熟だった日本の悪い面を山ほど見た気がします。ふたりの功績の偉大さに、今さらながら驚かされ、頭がさがる思いです。ドラマよりもずっと劇的でした。

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