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独裁の政治思想 角川ソフィア文庫

猪木正道

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784044005184
ISBN 10 : 4044005184
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「現代世界を見渡すと、右にも左にも独裁体制が横行し、蔓延している(略)現況を見事に予測した先見の明」(解説より)。独裁は暴政とは異なり、自己を正当化する政治理論・思想を持つ。にもかかわらず、暴政へと常に変質していく。指導者は一日でも長く権力のポストに止まろうとするからだ。その20世紀の2大典型、スターリンとヒトラーの政治思想を理論史的に究明し、独裁体制の特質を明示した金字塔的著作。

目次 : 第1章 独裁の概念/ 第2章 独裁の政治思想/ 第3章 マルクス・レーニン主義の革命独裁理論/ 第4章 マルクス革命・独裁理論の修正―マルクス主義と大衆意識/ 第5章 レーニン、スターリンにおけるプロレタリアート独裁理論の発展/ 第6章 レーニン主義と毛沢東思想/ 第7章 ヒトラーの政治思想/ 第8章 ヒトラー独裁の政治過程(一九三三‐一九三八)/ 補論(政治権力の変革過程/ 独裁の政治過程/ 政治権力と社会階級)

【著者紹介】
猪木正道 : 1914(大正3)年‐2012(平成24)年。政治学者、京都大学名誉教授。京都生まれ。社会思想家の河合栄治郎に師事し、1937(昭和12)年、東京帝国大学経済学部卒業。三菱経済研究所を経て49(昭和24)年から70(昭和45)年まで京都大学法学部で政治学・政治史を教える。退官後、防衛大学校校長を8年間務めたほか、平和・安全保障研究所理事長なども務め、日本の安全保障政策の研究を進めた。2001(平成13)年文化功労者。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • Francis

    「共産主義の系譜」でマルクス主義を徹底批判した猪木正道先生が20世紀の二大全体主義・独裁体制であるスターリン独裁、ヒトラー独裁、そして毛沢東独裁を分析した本。これらの独裁がどうして生まれたか、そしてどのように維持されたかを分かりやすく理論的に分析している。解説の木村汎先生の解説にある通りロシアのプーチン独裁の分析にも応用可能であると同時に今懸念されているトランプの再登板後の政権像、そして習近平政権の分析にも応用できる内容であり、今読むべき本であると言える。

  • 筑紫の國造

    主にヒトラーとスターリンの政治思想を対象に、「独裁の政治思想」を解剖した古典。二人の希代の独裁者は、どのような政治思想のもとに独裁を続けたのか。猪木は「独裁」と「暴政」は違うとしつつ、独裁が暴政に転じる可能性は極めて高いと指摘する。しかし、やはり共産主義の細かい理論となると門外漢にはなかなか分かりにくいものがある。しかし、通読できない程ではなく、読む気があれば面白いだろう。現代にも通じる「独裁」の内側を考えるのにはいい本だろう。ただ、解説にあるように「現代を予測」とはまた違う気がする。

  • わたてつ

    ヒトラー独裁とスターリン独裁の比較研究であり、特にマルクス・レーニンの革命理論が自分には難解だった。両者の独裁の過程がプーチンの統治にぴたりと当てはまる部分も多く感じた。

  • 圧巻。 初めに独裁についての仮説(理論枠組み)が示されたのち、マルクス・レーニン・スターリン、ヒトラー、毛沢東それぞれの独裁の政治過程(旧権力の破壊と新権力の創造)、政治思想がそれぞれ示される。その上で補論として、本書中盤での考察と序盤の理論枠組みの接合と更なる考察が行われる。 スターリンとヒトラーの独裁に共通性を見出しているあたり、アーレントの『全体主義の起原』3巻や『革命について』と問題意識が重なる。 革命から独裁の過程、あるいは20世紀の政治を理解するにあたり、必読の本と思う。

  • 非実在の構想

    現在の日本もコロナで被治者が食えなくなってきているし、独裁政権が誕生する下地が出来てきているのではないだろうか。

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