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世間体国家・日本 その構造と呪縛 光文社新書

犬飼裕一

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334045579
ISBN 10 : 433404557X
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「世間体が気になる」「世間体が悪い」といった言葉に象徴されるように、私たちは常に「他人の目」を気にしながら生きている。人は人間関係の中で生きざるを得ない以上、世間体からも逃れることはできない。だが、世間体が健全に機能すれば社会の安定や秩序に貢献するが、それが「負」の働きをすれば、個人の疎外や孤立、組織の硬直化や国としての活力の減退につながることになる。家庭で、学校で、社会で、人の心の中で世間体はどう作用しているのか。その構造を分析するとともに、私たち現代人は、日本社会を空気のように覆う世間体とどう向き合っていけばいいのか、その指針を提示する。

目次 : 第1章 世間体とは何か/ 第2章 世間体に押しつぶされる日本人/ 第3章 日本社会の「不協和音」/ 第4章 コロナ禍と世間体/ 第5章 ネットの中に形成される世間体/ 第6章 世間体と企業・家庭・学校/ 第7章 世間体と国家・民主主義/ 終章 世間体との付き合い方

【著者紹介】
犬飼裕一 : 1968年、愛知県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。社会学者、歴史社会学者。日本大学文理学部教授。マックス・ウェーバー、ゲオルク・ジンメル、和辻哲郎の研究に出発し、歴史社会学、社会学理論、日本人論、日本文化論に研究領域を拡大。近年は「社会」をめぐる語りの問題に着目して言葉の持つ力から日本社会を見つめる取り組みにも注力している。またインターネットやAIの発達に伴うデジタル化と社会の関係、人間の在り方にも焦点を当てている。『マックス・ウェーバーにおける歴史科学の展開』(ミネルヴァ書房)で2008年度日本社会学史学会奨励賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ステビア

    テーマはいいのに内容なさすぎ

  • Francis

    買って割合すぐに読んだ。世間体は世界のどこの国でも見られるが、日本ではキリスト教・仏教;儒教のような社会を支える規範となるべき価値観が崩壊しているために世間体の弊害がひどくなっていることを論じている。新書サイズで世間体の弊害の例をあまねく挙げようとしているため叙述が浅くなっているきらいはあるが、「世間体教」(山本七平さんの言う日本教と同じだと思う)について分かりやすく理解できる。「世間体」と付き合うためには「いかに生きるべきか」を問う事が重要であると説く。

  • Francis

    以前読んだことがある事に気付かずに再読。感想は前回とそれほど変わらないのだが、日本では近代になって明治維新、そして敗戦の二度にわたって「文明的断絶」を経験し、伝統的な宗教基盤が壊れていることが現代日本社会の「世間体」おいて歪みをもたらしている事を指摘している。この辺りは橋爪大三郎・大澤真幸両氏が「ふしぎなキリスト教」で似た事を指摘していた。最近日本が衰退しているという声を散見するが、そのような声が出てきているのは日本の伝統的な宗教基盤が壊れてしまった事と関係があるのかもしれない。

  • 山のトンネル

    「父は生まれついて厳格な性格の持ち主で、自分自身の日常生活はもちろんのこと、母や兄や私に対しても厳しい生き方を強いた。 道徳や人生観はもちろん、挨拶や食事の時のマナー 、それに服装や観るテレビや読む書籍に至るまで、父はその考え方を家族にまで徹底した。 私の家庭において、父は絶対的な君主だった。」(『ネトラレ』(p156)より)厳格な家は厳しくも、独特の教養が育まれる。しかし、家の風習がない多くの人々は、世間体によって育てられる。大衆消費社会の一員にすぎない。

  • coldsurgeon

    世間体(せけんてい)という言葉は、生きてきた時間の中で幾度も耳にした。世間体とは、個人間あるいは特定の集団において、その社会生活上・コミュニケーション上で機能する、顕在化・潜在化した比較的強固な規律と罰則の構造であると定義して、詳細に検討している。規律的に行動できる基盤となっている世間体であるが、そのために生きづらくなることは多いと思う。であるから、世間体は疑ってかからなくてはいけない。このコロナ禍で個人が試されているが、自分の心に核となるものを作り、自分自身の価値を自ら作り出していくことが重要である。

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