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人間狩り 角川文庫

犬塚理人

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041095980
ISBN 10 : 4041095980
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2020
Japan

Content Description

14歳の少年Aによる20年前の女児殺害事件。その残酷な犯行映像が闇売買された。監察係の白石は警察関係者からの流出を疑い、捜査を始める。一方、借金督促の仕事をする江梨子は、悪人をネットにさらして懲らしめる“自警団”サイトの活動にのめり込んでいた。江梨子とサイトの仲間は、新たな標的として元少年Aを追い詰めていく。それぞれの「正義」の果てに現れる哀しき真実とは。第38回横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作。

【著者紹介】
犬塚理人 : 1974年大阪府生まれ。早稲田大学卒業。2018年、「人間狩り」で第38回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞し、デビュー。新人離れした高いリーダビリティと、社会問題を巧みにエンターテインメントへ昇華する作風が持ち味(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ゆん

    20年前の少年Aによる殺人映像がダークウェブに流出し警察は流出元を探す。 その一方で「誰かを晒して裁きたい」というネット自警団が元少年Aを特定し社会的に抹殺しようとするが…。 ネットで悪人を晒して懲らしめる行為の是非はどう思うか個人によると思うけどそこが行き過ぎた正義なのか、ストレスの発散なのか…。 それぞれの正義の果てに現れた真実は……。

  • ま〜くん

    20年前に発生した幼女惨殺事件。逮捕された犯人は14才の少年A。更生を期待され、少年法の庇護の元、僅か数年で社会復帰を果たしていた。その事件の現場映像がネット上に晒される。誰が何の目的で。警察は身内の犯行を疑い捜査を開始。一方、悪を懲らしめる「自警団」サイトに携わる人物達も少年Aの行方を必死に探していた。警察、自警団両方の正義を貫こうとする様は考えさせられた。自分の子供が中学生に眼玉をくり抜かれ殺された親に「復讐は憎しみしか生まないからやってはいけない」と言えるのか。被害者は絶対に割り切れない。難しい。

  • シキモリ

    猟奇殺人を犯した元少年Aへの私的制裁の是非という重いテーマの作品。荒削りだがこれがデビュー作とは思えない巧みなプロットと伏線回収の妙がある。序盤からグイグイ読ませてくれるが、中盤以降は失速し、終盤は盛り上がりを欠く展開。物語の落とし所自体は然程悪くはないが、人間ドラマの書き込み(特に元加害少年と被害者家族)が圧倒的に不足しており、テーマの重厚さに反したライトな作風がちょっと残念。尤も、この題材は取り扱う際の【さじ加減】が非常に難しいのだけれど。装丁は単行本のイラスト画の方が不穏さを醸し出していて好きです。

  • ひまわり*

    読みやすく面白く、一気読み。酒鬼薔薇事件を連想させる、少年Aが起こした20年前の猟奇的な女児惨殺事件の映像が世に出てきた。警察関係者からの流出を疑い捜査に乗り出した監察の白石。一方で進むのは「自警団」と呼ばれるネット私刑の集団。傍観者だった江梨子だが、承認欲求が膨れ仲間と少年Aを追っていく。少年Aは更正したのか。映像を流出させた犯人は。それぞれの「正義」の果ては。少年犯罪や、特に子どもが被害者の事件についての意見は本当に難しい。最後まで面白く読んだが、エピローグのまとめ方がしっくりこなく残念だった。

  • すたこ

    ★★★★初読み作家さん。読みやすく面白かった。正に現代の社会問題を描いていて、身近にリアルに感じてしまって怖かった。スピード感もあり、ほぼほぼ一気読み。重いテーマなはずなのに軽くさらっと読めちゃうのが、SNS社会を象徴しているような感覚になった。

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