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ゼ-ロン / 淡雪 他十一篇

牧野信一著

User Review :3.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003112816
ISBN 10 : 4003112814
Format
Books
Publisher
Release Date
November/1990
Japan

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 私小説作家であった作者が極貧生活から中...

投稿日:2009/11/26 (木)

 私小説作家であった作者が極貧生活から中世ヨーロッパへ飛翔、その勢いを駆って、あの世まで飛び去ってしまった。  戦後、ミシマやシブサワの評論による再評価で今や大手の出版会社による文庫で手軽に彼の作品集が読めるようになった。

白塗りのサル さん | 神奈川県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    「鬼の門」の魔術を会得した主人公の自分は高潔だと思っていたら実は他人の目が怖い癖に自意識だけは過剰な強欲ものだと気づく辺りが痛すぎる滑稽味があります。「天狗洞食客記」の主人公の語りが何か似ている・・・・と思っていたら森見登美彦氏の「有頂天家族」の天狗先生だと連想しました。

  • かみしの

    三島由紀夫は、彼を稲垣足穂や内田百閧ニ一緒に並べたということだけれど、慧眼と言わざるを得ない。牧野の、特に「吊籠と月光と」や「酒盗人」や「ゼーロン」などの小説は、大正から昭和期の小田原に突如中世ヨーロッパの吟遊詩人が現れたかのような筆致で書かれていて、端的にいえば「なんだこれは」となる奇想天外なものだ。ここは一体どこなんだ、と思わず目を剥いてしまう。硬質で詩的な文体で描く世界の根本はやはり私小説であって、彼の脳はこういう世界の中で活動していたんだろうな、と思いを馳せてしまう。もっと知られてもいいと思う。

  • 波璃子

    2013年のセンター試験で出題された「地球儀」を読んでから気になっていた作家さんです。「ギリシャ牧野」という異名通り度々登場する古代ギリシャに関わる用語によって小田原がまるで異国のよう。英語のカタカナ読みや韻を踏む言葉が相変わらず違和感満載です。幻想的で滑稽な世界に寂しさや狂気が潜んでいるような印象を受けました。「私」と馬のゼーロンの出来事が描かれた表題作「ゼーロン」が良かった。クララ、クララ、クララックス、クララックス!

  • YO)))

    "ギリシャ牧野"氏の緒作は、世界を祝福する文学だ。アホらしくて思わず笑ってしまうが、田舎ペダンティックな唯一無二の幻想味に果てしなく魅せられもする。主人公(例外なくマキノ氏自身)が、己の卑小さを余さず曝け出しつつも、空想の幻野に飛翔していく、そのカタルシス、爽快感たるや…

  • ★★★☆☆(短編9篇、随筆3篇。いわゆるギリシャ牧野ものに関しては、こういう読み進め方でいいのか・・このまま理解できるのか・・はっきり言って不安だった。ゆっくり読めば読むほど頭が混乱する。言葉の迷走・・。ある意味幻想的かつ滑稽的で、少し狂気(分裂的)めいたものも感じてしまう・・。しかし、何かしら新鮮でもある・・。普通こういう風な小説は書こうとしても書けないように思う。僕自身、初めは拒絶したものの何処か癖にもなる・・。好む好まざるに関わらず牧野信一は異質であり、ある種規格外の作家と言える。)

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