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皇国史観 文春新書

Katayama, Morihide

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784166612598
ISBN 10 : 416661259X
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2020
Japan

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タイトルがまぁ直球というか何というか。刺...

投稿日:2021/07/01 (木)

タイトルがまぁ直球というか何というか。刺激的というか、さすが文藝春秋、さすが片山杜秀といったところか。但しどちら向きにせよある種のイデオロギー的なものを予見するのは見当違いと言っていい。むしろ周到に一歩引いたところから「皇国史観」というものの変遷を読み解いており、取り上げられている論者は江戸時代から平成にまで至る。そう、これは「皇国史観」史と呼ぶべきものであり、その中には「この人は”皇国史観”の人なの?」と思うような人も入っている。だが、著作の中で、特に最後に著者が触れている通り、「皇国」というものがあって、それは何であるか、と考えれば、なるほどこういうことなのか、と腑に落ちる仕掛けになっている。面白い。

Verdi さん | 神奈川県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • やいっち

    博覧強記の片山節が炸裂。どうやら講義録らしい。音楽評論家とばかり思っていたら、近現代史に詳しく、思想史の研究家のようだ。本書には、さすがに目次はあるものの、索引もなければ、参考文献もない。解説もない。したがってどういう経緯で書かれた(記録された)のかも分からない。語調からして講演か講義だったのかなと推察できるだけ。あるいは、著者は記憶だけで講義したのだろうか(さすがに文中に参照文献は書いてあるが、その本に言及するのだから、書名を書くのは当然だろう)。

  • trazom

    江戸から現代までの天皇論の推移が、とても分かりやすく整理されている。水戸学/五箇条の御誓文/大日本帝国憲法/南北朝正閏問題/天皇機関説事件と歴史を辿った後で平泉澄に到るのは、極めて順当な構成だが、そのあとに「柳田国男と折口信夫」「網野善彦」という二章が加えられているのが抜群にいい。アジール論と後醍醐天皇観に対する平泉澄と網野先生の対比、更に、「平成天皇は、国民の近くに寄り添う折口的天皇像。令和天皇は、より持続可能な柳田的天皇像」という片山先生の考察は、柳田・折口・網野各先生の本質を見事に象徴している。

  • 樋口佳之

    水戸学成立の経緯とか、平泉澄にまつわる話とかなるほどと思うのだけど、福本イズム山川イズムなんてレアな話にまで言及があるのに、非戦論反戦論の系譜、弾圧立法の強化とか3.15などの記述が無い。この枠取りをすることで、著者の描く国民像は読みやすくはあるけれども、ちょっとゆがんでいるよなあと思いました。

  • 軍縮地球市民shinshin

    皇国史観というと、平泉澄や戦前の文部省が想起されるが、本書はそういった狭い意味での皇国史観ではない。前期水戸学から稿を起こし令和の代替わりまで扱っている。著者の天皇がいる限り「皇国史観」は続くという結論には同意する。網野善彦のところが面白かったか。彼はマルクス主義から出発し若い頃にその思想は捨てたが、生涯「反天皇」であったことは確かだ。「人類の歴史で見ればたかだか1300年の歴史」と嘯いていたというが、やはり網野は死ぬまで保守思想、つまり皇室が長く続く意味は理解できなかったと感じた。

  • 無重力蜜柑

    何故この人の本はこうも面白いのか。「右」の思想をある種の共感を持って内在的に、同時に冷静に描ける稀有な素質の賜物だと思う。だが決定的なのは大きな「精神史」を描くその抜群のセンスだろう。天皇は近代日本国家の中でいかなる働きをしたのか。この大問題を、政治や経済の「実証」ではなく各時代の思想家の言説から「史観の遷移」として描き出した本作は、まさに著者の面目躍如たる作品だ。日本人が天皇を必要とする限り日本は天皇のいる国=「皇国」であり、我々は時代ごとの「皇国史観」を探究し続けるのだという結論は感動的ですらある。

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