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ISBN 10 : 4569804179
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「地元に帰らず、ホテルに住めていいねえ」「東電からいっぱいもらっているんでしょう?」「放射能が移るから近寄るな!」―何気ないひと言や所作に原発被災者たちは疑心暗鬼となり、神経をすり減らす。誤解や偏見は差別やいじめへと発展する。そのストレスは計り知れない。「避難すべき人が避難できずに被曝した」「必要のない人に避難を強制した」。福島第一原発事故で、政府は二重の誤りを犯した。ある人は「被曝」というかたちで犠牲になり、ある人は「避難」というかたちで家や仕事を奪われた。「真実を知ってほしい」。絆を引き裂かれた住民の心は、いまだ苦しみの渦中で喘いでいる。
目次 : プロローグ すべては放射能雲の予測ミスから始まった(福島第一原発から流れ出た放射性物質の行方/ 犠牲者を増大させた政府の二重の過ち ほか)/ 第1章 福島第一原発が見える町(一時帰宅に許された時間は五時間/ 線量計が毎時二〇マイクロシーベルトを指した ほか)/ 第2章 絆を引き裂かれた避難者たち(すべて自腹で避難を強いられた人たち/ 「地元に帰らず、ホテルに住めていいねえ」 ほか)/ 第3章 そのとき南相馬市・飯舘村では(国道沿いの店はすべて明かりが消えていた/ なぜ、スーパーや銀行は店を閉めたのか? ほか)/ 第4章 被曝者も避難者も出さない方法は、確実にあった(放射能雲が北西方向へ流れることは予測できた/ 法律はきちんと決めていた ほか)
【著者紹介】
烏賀陽弘道 : 1963年京都市生まれ。フリージャーナリスト、写真家。京都大学経済学部卒業後、朝日新聞社に入社。三重県津支局、愛知県岡崎支局、名古屋本社社会部、「AERA」編集部などを経て、2003年に早期定年退社。以後、フリーの立場でメディア批評や音楽評論などを展開。1992年にコロンビア大学国際関係大学院に自費留学、国際安全保障論で修士号。日本外国特派員協会名誉会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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