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をとめよ素晴らしき人生を得よ 女人短歌のレジスタンス

瀬戸夏子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784760156368
ISBN 10 : 4760156364
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2025
Japan

Content Description

注目を集めたウェブ連載に、
書き下ろしを加えた待望の書籍化。
語られてこなかった女性歌人たちのレジスタンスを、
現代によみがえらせる。
『はつなつみずうみ分光器』の著者が挑む、
女たちの群像伝記エッセイ。

 * * *

「きちんと目を向けさえすれば、ちゃんとわかることなのだった。
 彼女たちの存在も、彼女たちの歌の価値も。」
 ――本書「はじめに」より

1949年、女性だけの短歌結社「女人短歌会」と歌誌「女人短歌」が誕生した。
戦後短歌において独自の場を築き、数多くの才能を送り出してきたにもかかわらず、
彼女たちの活動は十分に顧みられてこなかった。

短歌をはじめ、さまざまな表現領域に光を当ててきた著者が、
男性優位の世界に抗いながら独創的な歌を詠みつづけた女性たちの姿と作品、
知られざるシスターフッドの軌跡を、
時を越えて鮮やかに描き出す。

「この本を読むあなたたちへ。
 彼女たちの声も歌も、
 おそらく未来のあなたたちに捧げられている。
 絡みあった複雑な旋律を、
 どうか、耳を澄まして聴いてほしい。」

巻末には、登場する女性歌人たちの作品から著者が選出し、
一首評を加えた精選120首のアンソロジーを収録。

装丁:アルビレオ
装画:三岸節子
本文カット:朝倉摂

【著者紹介】
瀬戸夏子 : 1985年、石川県生まれ。歌人、批評家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • yumiha

    「早春のレモンに深くナイフ立つるをとめよ素晴らしき人生を得よ」(葛原妙子)からタイトルをもらった本書は、「女人短歌」という女性だけの雑誌(1949〜1979年)に関わった歌人たちにフォーカスして述べられている。女性だけという限定に、ん⁉と思うのは現代の感覚だろう。「女人短歌」をめぐっての男性歌人の言い分が、完璧セクハラもんですわ。それに「短歌というジャンルは、上下関係が厳しい師弟関係の文学だった」そうだから、「師」も結社の主催者もえげつない男性たちゆえに、より「女人短歌」ちゅうもんが必要だったのだろう。

  • ズー

    詩や短歌などは新旧ともに苦手なのだが、タイトルとテーマに惹かれて読んでみた。やはり詩自体は難解。だけどそれぞれにまつわるエピソードがとんでもなく面白い!後半にそれぞれの短歌がまとめられていて、長沢美津と穂積生萩は分かりやすくてハッとさせられるものが多く、他の作品も読んでみたいと思った。ほんと短歌って読み手の知識と想像力が求められると思う。そんな感性鍛えたいものだなぁ。

  • rinakko

    素晴らしい。「女人短歌」という歌誌のことは知っていたが、今まで研究が殆ど為されていないとあらためて知った。そも何故「女人短歌会」を発足させる必要があったのか。それは男性優位の歌壇では認められない女性歌人のため、その怒りと焦燥の故にだった。彼女たちは其々に個性が強くて生き方もばらばらで、でも同志として繋がっていられたし、時には支え合いシスターフッドの歌も生まれた(胸熱…)。一方で、片山廣子と芥川の件などはやるせない。男歌の「アララギ」に所属し続けた河野愛子についても、「女人短歌」からの影響も受けつつ(続く)

  • てくてく

    「女人短歌」を立ち上げた人や深く関わった人(女性歌人)に関する考察。帯にもあるようにキーワードは「シスターフッド」。人生で遭遇したトラブルや作歌に関する助け合いおおよび彼女たちが戦ってきたものは、決して過去のものではない。歌人の中であえて女性歌人に絞った活動については、今も主流を占める男性たちだけではなく男性と肩を並べて活躍していた女性たちかも批判的な評価をされることもあったが、歴史的意義はあったのだろう。登場人物では穂積生萩が圧倒的にインパクトがあった。今風に言えばオタクを突き抜けた感じ。

  • yumicomachi

    1949年に結成された女性だけの超結社「女人短歌会」。その周辺で歌を詠んだ歌人たちの作品と人間模様を描いた本。女性たちについての本であるのと同時に、彼女たちに様々なかたちで関わる男性たちについての本でもある。知性ある女性を恐れた芥川龍之介とその弟子・堀辰雄。女嫌いの釈迢空。「女嫌いの女体好き」斎藤茂吉。中城ふみ子を愛し利用した中井英夫など。とはいえやはり読みどころは女性たちの短歌を通じての戦いとシスターフッドだろう。時に暴露的だったり強引だったりもするが、それも含めて心を動かされた一冊。2025年8月刊。

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