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他なる映画と 2

濱口竜介

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784867840078
ISBN 10 : 4867840076
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

『ハッピーアワー』『寝ても覚めても』『ドライブ・マイ・カー』『偶然と想像』、そして『悪は存在しない』へ。カンヌ、ベルリン、ヴェネツィアの世界三大映画祭を制覇し、米国アカデミー賞国際長編映画賞にも輝いた、世界が注目する映画監督・濱口竜介による映画論を、全2冊に集成。2巻目は「映画批評」篇として、映画をつくりながら折々に発表してきた作品レビューや映画をめぐる論考・エッセーにくわえ、日本語未発表原稿や書き下ろし2篇(7万字に及ぶブレッソン『シネマトグラフ覚書』論ほか)も収録。


私の映画との関わり方、というのは何かと言うと、それはもちろんまず撮る人――この場合は監督として――ということです。そして、もう一つは、もしかしたらそれ以上に映画を見る人、ただの映画好き、一ファンとして、ということですね。映画好きが昂じてそれが職業になるところまで来たので、一応は人並み以上に好きなのだろう、とは思っています。ただ、そんな風に人並み以上に好きであるにもかかわらず、映画というのはどこか、徹頭徹尾私にとって「他・なるもの」であるようだ、というのがほとんど二十年近く映画と関わってきて、私が強く持っている感覚なんです。――「映画の、ショットについて」(『他なる映画と 1』収録)より

自分が文章を書くことでしようとしていたこと、それは、その作品なり作家なりの生産原理を掴むことだった。文章によって、その原理の核心を鷲掴みにすること。せめて尻尾だけでも掴んで離さないこと。――本書「あとがき」より


《著者情報》
濱口竜介(はまぐち・りゅうすけ)
1978年生まれ。映画監督。東京藝術大学大学院映像研究科の修了制作『PASSION』(2008)で注目を浴びたのち、大震災以後の東北地方に取材したドキュメンタリー「東北記録映画三部作」(2011〜2013、酒井耕と共同監督)を経て、演技経験のほぼない演者たちを起用した『ハッピーアワー』(2015、ロカルノ国際映画祭・最優秀女優賞)で国際的な評価を得る。柴崎友香原作の『寝ても覚めても』(2018)を初の商業映画作品として発表し、その後、オムニバス作品『偶然と想像』(2021)ではベルリン国際映画祭・銀熊賞、村上春樹原作の『ドライブ・マイ・カー』(2021)ではカンヌ国際映画祭・脚本賞のほか米国アカデミー賞・国際長編映画賞に輝き、最新作『悪は存在しない』(2023)もヴェネツィア国際映画祭・銀獅子賞を受賞するなど、世界がもっとも注目する映画作家の一人である。

【著者紹介】
濱口竜介 : 1978年生まれ。映画監督(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • まぶぜたろう

    「悲痛さ/曖昧さ/もぞもぞ」、映画から受ける肉体的な情動を、濱口竜介は映画館に向かう多くの者が抱く普遍的な命題とする。演技はリアルの表出か、「映画」は出鱈目をいかに許容するか、「アンパン」について。濱口は「オカルト」を排し「唯物的に」明確にそれらの解を記す。相米の「距離」ロメールの「踊り」杉村の手と原節子の呼吸、その数学的な分析が感動的なまでに面白い。しかし言葉は「映画」をすり抜ける。それでも彼は執拗にブレッソンを言語化し、無効な解を重ね、「考える」「準備する」。演出とは何か。その希望と絶望。素晴らしい。

  • 酩酊石打刑

    1「映画講座集成」よりも、こちらのほうがとっつきやすかった。帯に記されている「批評修正」という表記には多少のためらいを感じると、あとがきで触れられている。控えめに「よいと思っている」ことを語っているとも。しかしながら、やはり映画に対する偏愛ぶりや、製作者としての独自の視点は瞠目すべきものがある。小津の『麦秋』での杉村春子のせりふ「アンパン」をめぐっての論評は笑ってしまうくらいだ。映画の台詞を単に意味論的に捉えるのではなく、シネマトグラフとして限定された映像の枠でとらえること、映画の楽しみを広げてくれた。

  • takao

    ふむ

  • 囚人13号

    名高い相米慎二論は読み進めるうちに細田守との共通項が浮き彫りになってきて、顔の記号化も意図は全く異なるのにエモーションの形態とかシナジー感じるし(昔から膾炙しているようだが)、全く意識してなかった二つの固有名詞を接続する回路を発見したような感動が味わえる。しかし終盤のブレッソン論、あれは悪い意味で質量に対して内容が合っていないと思う。鍵括弧の多用と蓮實的ディテール批評も甚だ微妙…。

  • ななし

    相米慎二の前期の越境と後期のあるかあらざるかみたいなやつとカラックスの部分を読んだ 批評用語を振り回して技巧を凝らした批評みたいなのでは全然なく、必要なことを必要なぶんだけ書いてあるし、論理の運びもエレガントですごく読みやくて大変よかった

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