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月ぞ流るる

澤田瞳子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784163917788
ISBN 10 : 4163917780
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2023
Japan

Content Description

宮中きっての和歌の名手と言われる朝児は夫を亡くしたばかり。五十も半ばを過ぎて夫の菩提を弔いながら余生を過ごそうとしていたが、ひょんなことから三条天皇の中宮〓子の女房として再び宮仕えをすることになる。朝児が目にした平安貴族たちの喜びと悲しみから生み出されたものとは。

【著者紹介】
澤田瞳子 : 1977年、京都府生まれ。同志社大学文学部卒業、同大学院博士前期課程修了。2010年に『孤鷹の天』でデビューし、2011年同作で中山義秀文学賞を最年少受賞。2013年『満つる月の如し 仏師・定朝』で新田次郎文学賞、2016年『若冲』で親鸞賞、2020年『駆け入りの寺』で舟橋聖一文学賞、2021年『星落ちて、なお』で第一六五回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    傍目には華やかな平安宮中絵巻の背後では、激烈な権力闘争が渦巻いていた。勝者が総取りし敗者は全てを失う残酷な政治の世界に巻き込まれた赤染衛門(朝児)は、栄華の頂点を極めつつある藤原道長が主役の物語ではなく、敗れ去ったり阿諛追従するしかない者の生き様を史書に残そうと願う。自らの娘すら権力の道具にする道長に対し、人らしい弱さや怒り故に没落した姿の涙を後世に残すのが、政治に関われない女の務めと覚悟したからだ。『栄花物語』を書くまでの朝児の成長ドラマと朝廷の群像劇が重なり、歴史の暗黒面を浮き彫りにする手腕が見事だ。

  • hiace9000

    「心にもあらでうき世にながらへば 恋しかるべき夜半の月かな」 百人一首でも馴染みの歌が、帝の孤心苦衷の胸の内を吐露し苦吟されしものだったとは…。返歌として詠まれた古歌「…月ぞ長るる」は、新たな意で名場面を切り取り、鮮やかに浮かび上がらせる。赤染衛門が現世に転生したかのような、たおやかで力強く、細やかにしてしなやかな筆致は、読み手を丸ごと作品世界へ移遷させてくれるよう。"人間の世々の不変の営みと古しえより今日に至る歴史もすべて本の中にあるー" 朝児に仮託し書物を語るくだりに、今作の主題と作り手の矜持を観る。

  • 榊原 香織

    今の大河ドラマより15年後?位か。 初老の藤原道長や紫式部も出てくる。 ヤンキー的な若僧と彼を弟子として受け入れる学問の家大江家の未亡人。すこーし推理風の味付け。平安時代もの

  • ちょろこ

    赤染衛門から見た宮中絵巻の一冊。三条天皇の中宮、姸子の女房として再び宮仕えをすることになった朝児(赤染衛門)の視点で、藤原道長vs三条天皇の政争、御簾の向こうの宮中絵巻を描いた物語。ほんのりミステリ要素を含みながらの惹きこまれ感は文句なしの味わい。帝の排斥しか頭にない道長の豪胆さのその裏で流される幾つもの涙は否応なしに胸を打つほど。それを目の当たりにした赤染衛門は何を感じ、自分はどうすべきか…逡巡しながら、物語の存在意義へと辿り着く描き方が良かった。板挟み、駒にされた女たちの哀しみあっての平安時代を実感。

  • fwhd8325

    この作品の印税はすべて「能登地震」の義援金に寄付されると聞きました。澤田さんの作品は初めて読みましたが、とても中身が濃く読み応えがありました。普段、あまり読まない分野なので少し苦労しましたが、文章が奏でているようで、美しいものがりだと感じました。

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