Books

Bl進化論

溝口彰子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784778314415
ISBN 10 : 4778314417
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

本書は、カルチュラル・スタディーズ研究者で、熱烈なBL愛好家でもある溝口彰子氏が、日本のやおい・ボーイズラブ(BL)的なものがここ数十年でどのように変化し、進化し、いま女性にとってどのような存在になっているのか、そして社会にどのような影響を与えているかを考察した評論。
女性による女性のための、男性同士の恋愛を軸にしたヤオイ/ボーイズ・ラブ(BL)は、いま女性たちにジャンルは、主に異性愛女性が作り手・送り手であるにもかかわらず、実際の現実よりも、ホモフォビア(同性愛嫌悪)と異性愛規範から自由な――言い換えれば、同性愛を肯定し、異性愛以外の多様なセクシュアリティを尊重する――作品が生まれている。BL作家たちの「誠実な想像力」が生んだ作品世界は、ファンタジーを描きながらも、「現実(社会通念)」を変える可能性を持つ。
進化するBLはいまは「駆け込み寺としてのやおい」ではなく、「生産的なフォーラム」となっている! ということを、作品分析によって証明してゆく試みである。
著者は、映画理論、美術批評(ビジュアル&カルチュラル・スタディーズ)の研究者で、レズビアン・アクティビストとしても活躍する溝口彰子。著者がこれまで発表してきた論文や、学会での発表原稿、講義ノートなどをもとに構成する、BLカルチャー論。

【著者について】
溝口彰子(みぞぐち・あきこ)
山口県生まれ。米国ロチェスター大学大学院ビジュアル&カルチュラル・スタディーズ・プログラム修了(博士号)。多摩美術大学美術学部芸術学科非常勤講師。BL愛好家。

【構成】
●第1章 「BL進化論」にとってのBL概史
●第2章 ホモフォビックなホモと愛ゆえのレイプ?——進化以前のBLテキストの定型 
●第3章 リアルゲイの目線?〜まぼろしの(ような)「やおい論争」を中心に 
●第4章  BL進化形 
●第5章 BLを読む/生きる——女性同士が「まぐわう」フォーラムとしてのBL (2ファイル)

◆スペシャル対談 ブルボンヌ×溝口彰子

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 雪紫

    BL本や映画の紹介だけでなく薔薇の進化や多様。異性愛や現実の同性愛者達にも視線を向けた本。個人的にはやおい論争の文が突き刺さった。やはりそういった作品を愛好するからには現実のそういった人達への理解を深めなければいけないと思う。くれぐれも軽い気持ちで萌えを期待してはいけない。中身はクスリとなってしまう時もあるけど大真面目な作品だから。

  • ちるるん

    内容を噛み砕きながら読み進んでたら時間がかかったけど、とても面白かった。特にBLと社会との関わりについての下りは、ここまで深く考えてこなかったところを気付かされた…というか、無意識で感じてはいたけど言葉にしてこなかったところをちゃんと形にしてくれたという感じ。うまく言えないけれど確かに、社会から押し付けられた価値観に対する私自身の抵抗力と感受性はBLを読むことで少しずつ広げられてきた気がする。それと、BLの歴史のポイントとなる作品もほぼ読んできたものばかりで懐かしく、読み返したくなった(*^ ^*)

  • mittsko

    これは凄く面白かった! 勝手に、客観的で冷静なBL文化の分析かなと思っていたら、ちがった。無論、分析解説は客観的で冷静なのだが、そこに強い強いコミットメントがあるのだ。著者はレズビアンだと自己紹介する。そして、プロトBL作品に「感情移入」をすることで「自分がレズビアンであることを受けいれ、レズビアンになれた」のだと。本書の主張は、今やBLは「進化」し、ホモフォビア、異性愛規範、ミソジニーを克服するヒントすら胚胎するようになった、しかも、娯楽と快楽の追求をするなかで、無意識的に、というもの。熱い!エモい!

  • たまこ

    図書館本。BLそのもものの進化と、BLによって社会が進化する可能性について。BLを読む者として「BL愛好家女性たちの日々の楽しみの活動が社会の進化をリードする表象を生み出す場を作り出している」と言われると少し面はゆいけれど、結果的にそういうこと(多様性が認められ生きやすい社会?)に繋がるのならそれは素敵かな。最後はBLへの賛辞と、愛好者への後押しのメッセージで締めくくられています。ちょっと小難しい部分もありましたが、著者もBL愛好者ということで安心して読めました。

  • きなこ

    三浦しをんさんのオビに惹かれて。歴史、定型表現、現実のゲイの目線、進化、コミュニティなどの視点から分析した、BLに対する愛にあふれた評論。紹介されている作品をほぼ読んだことがなかったので感動は薄かったけど、読んでいる人ならもっと楽しめるのでは。タイトルが示す通りBLは進化しており、現実社会における性の多様性の実現、ジェンダー格差解消などを先取りしているというような主旨で、面白かった。中村明日美子さんの表紙が美しい。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items