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旅人 ある物理学者の回想

湯川秀樹

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784044094300
ISBN 10 : 4044094306
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2011
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

日本人として初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士が、自らの前半生をふり返る。「イワン(言わん)ちゃん」とあだ名された無口な少年は、読書を通じて空想の翼を羽ばたかせた。数学に熱中するも「小川君はアインシュタインのようになるだろう」という友人の一言がきっかけとなり、理論物理学への道が開けていく―。京都ならではの風景とともに家族の姿や学生生活がいきいきと描かれ、偉大な先人を身近に感じる名著。

【著者紹介】
湯川秀樹 : 1907年、東京生まれ。京都帝大理学部物理学科卒。39年、京都帝大教授となり翌年、学士院恩賜賞を受賞。43年、文化勲章を受ける。49年、日本人として初のノーベル物理学賞受賞。研究者、科学啓蒙家としての活動以外に、平和論・文明論・科学論・教育論・人生論など多彩な分野で活躍した。81年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • おさむ

    日本人初のノーベル賞受賞者の湯川秀樹氏の回想記。よくまあここまで詳細に若い頃の経験を記憶しているものですね、やはり天才はアタマのつくりが違う。和歌山出身のご両親も教養人だったそうです。内向的で、厭世的で、アンバランスだった、など自分の欠点をつまびらかにしている所も好感がもてます。その辺はある種の「関西人気質」かもしれませんね。

  • Willie the Wildcat

    朴訥と語る理論物理学への道。表現力が秀悦!生い立ちはもちろんだが、当時の文化、生活、街並みなどの描写に躍動感があり、活き活きと頭に浮かぶ。祖父との素読が根底か。自己描写の観点では、内気となるきっかけや、見合い・結婚に至る自己分析が印象的。”結果論”としての物理だが、(私生活を含めて)その経緯を見ると、哲学における物理という印象。数学テストの「66点」の件も興味深い。現代にも繋がる日本教育の問題を提起している感。それにしても「権兵衛」はすごいなぁ・・・。(笑)

  • TATA

    好著。日本初のノーベル賞受賞者となった湯川秀樹さんの自伝、とはいえまだ若かりし時代まででノーベル賞は出てこず、中性子理論の入り口に差しかかるところまで。自らを孤独者と位置づけるあたり、今でいう陰キャであったのかもと。けれど、良き友、良き師、そして一生を捧げるべき学問に巡りあえたことが何より素晴らしい。百年前の湯川氏の懊悩が理解できるだけでも読む価値がある一冊。数学を選ばなかった理由になるほどなと。大学に進学する息子に読ませたくてそれとなく勧めてみたけど読まないんだろうなあ😭。

  • kazuさん

    27歳に至るまでの自叙伝として、湯川秀樹先生自身が書かれたとばかり思っていた。しかし、朝日新聞社学芸部の記者であった澤野久雄により代筆されていた。父は京都帝大の地質学の教授であり、また、母は才女で包容力があった。漢学者の祖父とも同居して、京都の家において、恵まれた環境で育った。ノーベル賞受賞の理由である中間子の存在を着想するまでの経緯が、日常と研究生活の両者の情景を織り交ぜ、洗練された文体で綴られている。日本の誇る天才的な科学者は、知的な家庭環境と幅の広い戦前の高等教育により、生み出されのが理解できる。

  • koji

    私のブックガイドの一つ「教養文庫コラボフェア2023」から。日本人初のノーベル賞受賞者湯川秀樹の自伝。内省的で我執的な1少年が理論物理学者の入口に到達した27歳迄の記録です。夢中になって読みながら、いざレビューとなると全く書けず1週間呻吟しました。その中で寝床でふと浮かんだのが、湯川博士とAI。つまり、博士の頭脳(知識)はAIで置き換えられても、母の愛、喜怒哀楽の感情、生まれ育った環境・時代、そして偶然はAIで造れないし、人類の叡智でこれらが重要な要素ではないかということ。改めてヒトの不思議を実感しました

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