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白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」 中公新書

渡辺靖

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121025913
ISBN 10 : 4121025911
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

白人至上主義と自国第一主義が結びついた「白人ナショナリズム」。トランプ政権の誕生以降、注目を集めるオルトライトをはじめ、さまざまな勢力が連なる反動思想だ。反共、反多文化主義、反ポリティカル・コレクトネスといった旧来の保守と共通する性格の一方、軍備拡張や対外関与、グローバル資本主義を否定する。社会の分断が深まるなか、自由主義の盟主アメリカはどこへ行くのか。草の根のリアルな動向を現地から報告。

目次 : 第1章 白人ナショナリストの論理と心理(『アメリカン・ルネサンス』/ まるで学会のような雰囲気 ほか)/ 第2章 デヴィッド・デュークとオルトライト(デヴィッド・デュークとの会話/ 「白人の公民権運動」 ほか)/ 第3章 白人ナショナリズムの位相(白人ナショナリズムの起源/ クー・クラックス・クラン ほか)/ 第4章 白人ナショナリズムをめぐる論争(なぜ白人ナショナリストになるのか/ リベラル派の欺瞞 ほか)/ 第5章 白人ナショナリズムとグローバル・セキュリティ(グローバル化する白人ナショナリズム/ 濃密な人的ネットワーク ほか)

【著者紹介】
渡辺靖 : 1967年(昭和42年)、札幌市に生まれる。97年ハーバード大学大学院博士課程修了(Ph.D.社会人類学)。ハーバード大学国際問題研究所、オクスフォード大学シニア・アソシエート、ケンブリッジ大学フェローなどを経て、2005年より慶應義塾大学SFC教授。専門はアメリカ研究、文化政策論。日本学術振興会賞、日本学士院学術奨励賞受賞。著書『アフター・アメリカ』(慶應義塾大学出版会、2004年。サントリー学芸賞、アメリカ学会清水博賞、義塾賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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白人ナショナリズムにも理由があるのだと理...

投稿日:2021/04/09 (金)

白人ナショナリズムにも理由があるのだと理解できる本です。 私たち日本人(一般的な感じの)がなんとな〜く恐ろしく感じているKが三つの団体さんだとか、その団体の派生の超過激団体が紹介されています。 それぞれ違いがあって面白いのですが、中でも興味深かったのは、そういった団体が日本国に羨望の眼差しを向けているといったくだりでした。 島国という地理的要因が主なものであり、日本人がものすごく意図してこういった国になったわけではないのでしょうが、人種のサラダボウル的な国からすれば十分にうらやましい面があるようです。 経済的には失われて30年の日本。 果たして移民など必要なのか、それともこのままの方が良いのか。

50バッテリあ さん | 東京都 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 1959のコールマン

    ☆5。まずは著者に「お疲れ様でした」との言葉をかけておく。で、こういっては何だが、ちょっとした潜入小説?の様なスリルを味わわせてもらった。特に白人ナショナリストたちのブランチに招待されて、その場であえて挑発的な質問をしたところなんか、どうなることかとハラハラした。意外だったのは彼らの中に親日家が多いという事実。あれ?ジャップとか言ってた国じゃなかったっけ? もちろんワクワクする面白い本では無く、ある意味悪夢を見そうな内容。なお、白人ナショナリズムから転向、もしくは決別した人たちが最後に出てくる。推薦本。

  • skunk_c

    『リバタリアニズム』よりは分かりやすい思想だなというのが第一印象。前作同様多くのインタビューを踏まえた内容だが、取材対象者の人間的な好印象と、思想の問題性のギャップに著者自身も相当戸惑った様子が分かる。アファーマティブアクションを逆差別と捉える考え方は、歴史認識の欠如から来ると思っているので、やはりアメリカ社会は非歴史的なのかもしれない。あと白人ナショナリズムが先住民をどのように捉えているのかについてはあまり触れられていないのが残念。タブーなのかもしれないが。著者の人種概念が社会的産物という考えには同感。

  • HANA

    欧州では右の政党の躍進が話題となっている昨今、現在のアメリカの白人ナショナリズムを紐解いた一冊。白人ナショナリストの実際の人物像から始まり、KKKやオルトライトの勢力分布、海外の右との相乗作用にリベラルとの論争とリバタリアンとの関係と扱っている範囲は幅広いが、どれも決して浅くはなく教えられる事ばかり。読後のイメージとしては、右も左もルッキズムによって被害者意識が増幅しているんじゃないかなと。左右の対立が先鋭化している今だからこそ、本書のような落ち着いた紹介や分析が必要なのではないかと思ったりもした。

  • パトラッシュ

    白人貧困層の強い支持でトランプ大統領が誕生したとは多くの言説が一致するが、その底流には多民族化や多文化化への拒否反応と白人がアメリカの主人だった時代への郷愁がある。白人たちが声を上げ始めた文化的反動の実相を、彼らの中に入り込んで伝えてくる。再び人種暴動が広まるアメリカを、今一度捉え直す貴重な1冊だ。折しもトランプは支持者が白人至上主義の発言をする動画をリツイートした。明らかな白人ナショナリストへの支持要請で、さらにアメリカは引き裂かれるのか。今度の大統領選は21世紀のアメリカがどこへ向かうかを決める場だ。

  • 泰然

    テクノロジーの発達で世界はフラット化することは随分前から言われ、中間層の仕事喪失の危機と生存スキルのあり方は何度も論議されてきた。しかし本書で描かれるのは、激変する世界のなかで迫るアイデンティティの危機を「白人ナショナリズム」なる「文化的な反動」で守ろうとするアメリカ白人の生々しく重苦しい運動である。遺伝子や乳糖処理力などの白人優位の疑似科学の横行、高学歴者の参加、リバタリアニズムとの軋轢など衝撃の内容がルポされるが、決して対岸の火事ではない。多様性による変革を目指すとき、私達は精神的負荷に耐えられるか?

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