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納得の構造 日米初等教育に見る思考表現のスタイル

渡辺雅子(社会学)

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784491020211
ISBN 10 : 4491020213
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2004
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

思考表現スタイルの「違い」が能力の「差」に転換されるのはなぜか。能力の多様性とその予期せぬ結果を解明する比較実証研究。

目次 : 第1章 叙述の順番と論理のシステム/ 第2章 順番のマジック―四コマ漫画の作文実験/ 第3章 いかに書くか―作文指導と創造力/ 第4章 二つの日米逆転現象/ 第5章 いかに語るか―歴史教育と分析力・共感力/ 第6章 正しい行動の二つのパターン―目標と評価をつなぐもの/ 第7章 スタイルの衝突/ 第8章 ポストモダニズムを超えて

【著者紹介】
渡辺雅子 : 1998年米国コロンビア大学大学院社会学部博士課程修了、Ph.D.現在、国際日本文化研究センター助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • buuupuuu

    日米の小学校での教育方針の違いが興味深い。日本では人格や感情の育成が目標とされ、素直に感情を表現することや、共感する能力が大事にされる。アメリカでは、判断に資する技術の習得が目指され、型を覚えることや、原因を分析する能力が重視される。教養は判断を助けるものだとするイソクラテスを思い出す。両国の教育のスタイルはそれぞれまとまりを成しているので、他方のやり方の一部を文脈を無視して移植しようとしてもうまく行かないという。先日、授業に議論を取り入れることを提唱した本を読んだが、それは日本の文脈に合うだろうか?

  • nako*beary

    そもそもの始まりは、作文をどういう順番で書くか、という点において日本とアメリカでは違いがあるらしい、そして、それは社会科における歴史の語り方にもつながるらしい、というところがおもしろそうだったから。「文章の型を教える」というアメリカスタイルは非常に参考になったが、この本のいいところは、だからアメリカの教育は素晴らしいんだぜ!とならないとこ。さらには、言語の機能に思考スタイルの原因を求めていくとこ。何が良くて何が悪いという価値判断ではなく、客観的な原因究明の姿勢が好き☆

  • reduce

    自由になるための手段を知らないと自由になれず、自由に考えているつもりでも自由ではなく、画一的な考えに陥る。反論を予期させる『弁論術』はやはり良い。あと、小学校の通知表の項目「関心・意欲・態度」は懐かしい。

  • 鏡裕之

    英語において未来助動詞が使われるようになるのは、15世紀頃らしい。完了形が整えられるのは18世紀。英語と日本語の時制を見ても、歴史や時間に対する英語圏の人々と日本語圏の人々との違いが表れていて、なかなか興味深い。再読して思ったのは、作文教育と歴史教育で分析と決断を重視するアメリカからは、リーダーが生まれやすいだろうなということ。気持ちのくみ取りや共感やつながりでの把握を重視する日本からは、物語の紡ぎ手は生まれやすいだろうが、リーダーは生まれづらいだろう。

  • schole

    日米の物語の綴り方の違いから作文の指導の歴史など初等教育の違いなどを論じる。日は圧倒的に時系列に並ぶ物が多く、米は因果律が多い。日は型を教わらないゆえに、書きやすい時系列になる一方、アメリカは複数の型を覚えたのちに使い分けるという方法で自由を獲得している。一見因果律がよく見えるが、因果律にあたり省略が生まれ、、結果として我田引水の結論を導いているのは最近の事象でも見受けられる。 作文の歴史を紐解くと、日本では作法から現実を求めたのに対し、米はベトナム戦争や公民権運動が影響したという意見は興味深い。

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