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女王様の電話番

渡辺優

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087700145
ISBN 10 : 4087700143
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
渡辺優 ,  

Content Description

【第174回 直木賞候補作】

好きだけど、触れあうことはできない。
そんな自分は異端者なのだろうか──。

主人公の志川は、新卒で就職した不動産会社を辞め、現在、SMの女王様をデリバリーするお店の電話番をしている。友達には「そんな職業は辞めたら?」と眉をひそめられたが、女王様の中でも美織さんという最高に素敵な人に出会い、そこそこ幸せに暮らしていた。
ある日、あこがれの美織さんと初めてごはんを食べに行く約束をして舞い上がるものの、当日にドタキャン。そのまま音信不通になってしまう。彼女の常連のお客さんなどにこっそり連絡を取り行方を探るうちに、どうも自分の知っている美織さんとは違う面ばかりが見えてきて……。
過去、志川が不動産会社を辞めた理由は、あこがれの男性社員・星先輩と付き合う寸前に、先輩が自分に求めている性的なことが一切無理だと気づいたからだった。好きだったのに。付き合えないと正直に言っただけで、志川は同僚に悪女扱いをされ、そのまま会社にもいづらくなり、退社することになってしまったのだ。
私はアセクシャルなのだろうか? 「ない」ことを証明するのは、悪魔の証明だ。もしかしたら、まだ見ぬピンクのひつじに会えるかもしれないのに……。なんでも性的なことや恋愛に結びつける世の中に馴染めない主人公の戸惑いを通じて、現代社会を描く問題作。

アセクシャルの自身に戸惑い、彷徨い、清爽と一歩を踏み出す──。
小説すばる新人賞受賞から10年。物語はしたたかに進化する。

【著者プロフィール】
渡辺優 (わたなべ・ゆう)
1987年宮城県生まれ。2015年に「ラメルノエリキサ」で第28回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。他の著作に『自由なサメと人間たちの夢』『アイドル 地下にうごめく星』『クラゲ・アイランドの夜明け』『アヤとあや』『カラスは言った』『私雨邸の殺人に関する各人の視点』『月蝕島の信者たち』などがある。

【著者紹介】
渡辺優 : 1987年宮城県生まれ。2015年に「ラメルノエリキサ」で第二八回小説すばる新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • おしゃべりメガネ

    う〜ん、なんとも言い様が難しい作品でした。よくわからぬまま、知らず知らず最終的には読了してしまったのが、我ながらちょっと不思議です。テーマはきっとセクシャリティの話だったんだとは思いますが、惹き付けられたまでもなく、登場人物の誰かに惹かれたワケでもなく、でも文章の流れ、テンポは悪くなかったです。作者さんの狙い、意図は果たしてなんだったのか、私には残念ながら受けとめきれず。しかし、エピローグはこれまたなんとも言えない不思議な爽快感でしっかりと締めてくれるのはありがたかったです。他の作品はどんな感じなのかな。

  • pohcho

    女王様を派遣するマッサージ専門店の電話番として働く志川。好意を持っていた年上の女王様がある日突然いなくなり、一人で彼女を探すのだが、同時に過去を振り返りながら、自身の性的指向に向き合っていく。素人探偵のような志川がかなり危なっかしい行動をとるので、ちょっとヒヤヒヤしながら読む。また、性的指向の話はいかにも今時だが、知らないことも多くて考えさせられた。スーパーセックスワールドやビームなどのワードが独特な感性。性的指向にも孤独にもいろんな種類があり。「誰もがそれぞれの天国を持っている」という言葉が印象的。

  • うっちー

    何か不思議な世界観でした

  • あみやけ

    知ったのは静岡新聞の書評欄でした。タイトル通り、風俗関係の仕事、とは言いつつも電話担当の方が主人公です。風俗の仕事に関する描写はありません。女王様の必要もないのではとラスト前までは思ってました。でも、自分の中では納得しました。深かったです。自分はこの主人公とは真逆ですが、今の自分に決定的に足りないものがわかった気もしました。愛、セックス、なんだかいろいろ考えました。あと、ないことを証明するのはとてつもなく大変なことには共感。さて、まったくわからないレビューですが、僕にはめちゃくちゃ深かった。出ました★5+

  • olive

    アセクシャルの自身に戸惑う主人公の物語。結局のところわたしたちは、”わからなさ”を生きているのではないのかと本書を読み思う。性的指向や性自認が、多数派と異なる人たちを指す”LGBTQ”を小説などを通し理解してるつもりでいても身近な人の場合になるとどうなのか...。釈然としなかったり疑問が残ったりしたことを曖昧にしたままで通り過ぎていってはいないのか...。かといって恋愛至上主義を押しつけられるのもどうなのよ、と思ったり。わからない。正解がわからなーい!そのわからなさが見事にまで書かれた一冊だった。

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