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進化の法則は、北極のサメが知っていた(仮)

渡辺佑基

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309631042
ISBN 10 : 4309631045
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

2016年、北極の深海に生息する謎の巨大ザメ、ニシオンデンザメが400年も生きることがわかり、科学者たちの度肝を抜いた。このサメはなぜ、水温ゼロ度という過酷な環境で生き延びてこられたのか?そして地球上の生物はなぜこんなにも多様に進化したのか?気鋭の生物学者が世界各地でのフィールドワークを通じて、「体温」を手がかりに、生物の壮大なメカニズムに迫る!

目次 : 第1章 冷たい―本当の極寒はニシオンデンザメしか知らない(純度一〇〇パーセントの寒村/ 海で最も恐ろしいもの ほか)/ 第2章 熱い―アデリーペンギンが教えてくれた南極の暮らし方(時速一〇〇メートルの船/ 巨大化したカブトムシ ほか)/ 第3章 ぬるい―ホホジロザメに学ぶ中間的な生き方(ワライカワセミの鳴き声の下/ 新幹線、ジェット機、ホホジロザメ ほか)/ 第4章 激しい―イタチザメが見つけた生命エネルギーの法則(巨大なドーナツ型は何のため/ ツールドフランスを走るロードバイクのように ほか)/ 第5章 儚い―バイカルアザラシが語る生命時間のルール(ロシア製の素朴なミニバン/ 一〇〇パーセント皆優しい ほか)

【著者紹介】
渡辺佑基 : 1978年岐阜県生まれ。国立極地研究所准教授。東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。野生動物に小型の記録計を取り付けるバイオロギングという手法を使って魚類、海鳥、海生哺乳類の生態を調べている。東京大学総長賞、山崎賞、若手科学者賞。前作『ペンギンが教えてくれた物理のはなし』(河出書房新社)で第68回毎日出版文化賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ホークス

    2019年刊。小型の記録計を取り付ける手法を使い、ペンギン、サメ、アザラシなどの生態を調べる。著者の目的は、動物共通の法則を確かめる事。400年生きるニシオンデンザメから短命なミドリムシまで、重量と体温の二つをキーに見れば、単位あたりの代謝量は同じ。ゾウとネズミ、人間なら大人と子供の「時間感覚の違い」も、この法則で説明できる。半ば物理の問題だけど、丁寧な解説のお陰で一応理解できた。生き物好きではないのに極地まで赴き、サメやペンギンに抱きつく著者は、見上げた学者魂の持ち主。現地のよもやま話がとても面白かった

  • ころこ

    何となく読んでみた本が自分の関心に近いところにありました。体の大きさと体温が決まればエネルギー消費量が決まり、それに応じて生活スタイルが決まり、成長速度が決まり、寿命が決まり、進化のスピードが決まる。生態学の代謝量理論だそうです。自然は多様性だというけれども、実は人間が認識する少数の原理によって成り立っていることを強調しています。実際に万事がそうだというのではなく、自然をありのままみることが出来そうな分野だからこそ、「視点の高度」という表現で、人間がそれをどうみるかにこだわる態度は非常に知的だと思います。

  • 七月せら

    恐竜の血は温かかったのか冷たかったのか。年をとるほどに時間の流れが加速して感じるのは何故なのか。そんな素朴で魅力的な疑問は、究極には「地球上には何故これだけ多くの大きさ、体温、寿命のバリエーションに富んだ生物が繁栄しているのか」という壮大なミステリーに通じている。人工衛星の視点から自然界を俯瞰し、例外だらけの動物の行動も物理の法則をもって解釈することで見えてくる、自然界を貫く法則。フィールドワークの体験談は冒険小説のように、難しい数式や法則の話は入門書よりなお分かりやすく、文句なしに面白い本でした。

  • もえたく

    「年をとると時間の流れが早く感じる」のは、北極の深海で400年生きる巨大なニシオンデンザメの生態などの例に挙げ「代謝量の変化」で説明され、納得することしきり。過酷なフィールドワークの面白ハプニングと、バイオロギングによる最新の研究成果を織り交ぜながら、物理学も優しく解説してくれて読みやすい。こういう研究者が沢山出てくると、子供達も理科好きになると思いました。

  • tom

    著者は、この本に書いたことを「体の大きさと体温さえ決まれば、コガネムシであれツキノワグマであれ、エネルギー消費量(代謝量)が決まる。代謝量が決まれば、生活スタイル、成長速度、寿命、進化のスピードが決まる。生命活動は化学反応の組み合わせ、どんな生物にも例外はない。」とまとめる。著者は、これをもとにして生態学の大統一理論を目指しているらしい。そのツールがバイオロギングによる生命活動の計測。そうなのか、著者の研究は、ここに向かっていたのかと、かなりの驚きを持って読む。面白い。

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