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流言蜚語

清水幾太郎著

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480093905
ISBN 10 : 4480093907
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2011
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Product Description

流言と大震災
危機や災害と切り離せない流言蜚語はどのような機能と構造を備えているのだろうか。つかみにくい実態を鮮やかに捌いた歴史的名著。

Content Description

流言蜚語の成立条件、構造、社会的機能を詳細にわたって分析した論考、および関東大震災の生々しい体験記と、震災直後の世情への反応、流言を考察した達意のエッセイを付す。

目次 : 1 流言蜚語(流言蜚語と報道/ 流言蜚語と輿論)/ 2 大震災は私を変えた(日本人の自然観―関東大震災/ 明日に迫ったこの国難―読者に訴える/ 大震災は私を変えた/ 地震のあとさき)

【著者紹介】
清水幾太郎 : 1907‐88年。東京生れ。東京帝国大学文学部社会学科卒業。社会学者。ジャーナリスト、文学博士。讀賣新聞社論説委員、二十世紀研究所所長などを経て、学習院大学教授(1949‐69)、清水研究室主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO

    先日読んだうわさ関連の本に、三冊の古典があるということでそのうちの1冊がこの本で読んでみようと思い手に取りました。1937年の出版で中身はかなり古いのですが、2.26事件の直後に、流言が取り締まりの対象になっていく契機の一つとなったということで書かれたようです。前半が報道との関連、後半は世論との関連で、基本的なことが書かれていて参考になりました。

  • みつ

    前半が1937(昭和12)年に書かれた「流言蜚語」に関する論考、後半が(文面から推察するに)1960年代初頭、1970年代初頭及び中期に書かれた関東大震災に関する様々な論文及びエッセイから構成される。両者は截然と異なる内容で、ともすれば連想しがちな、関東大震災後の朝鮮人虐殺に関する流言蜚語などは(p179の言及を除き)扱われない。前者では「流言蜚語の数は世論統制の強度の函数」(p127)と捉え、むしろその生産性に着目する、反語的レトリックに富むもの。後者では地震を「天譴」とする観念を巡る最初の論が力作。

  • 塩崎ツトム

    地球温暖化ではあらゆる災害の規模がでかくなる。つまり熱波はより暑く、台風はより強く、そして寒波はより寒くなるのだけど、インターネットも流言飛語の伝播の速度と影響力を増した一方、それを駆動させる原理については変わらず、人々はよりおろかになり、公儀と民衆の間を充たすべきマスコミはただ劣化し、煽動合戦に振り回されている。本書後半の、朝鮮人虐殺や甘粕事件に少年として接した著者の「軍隊はわたしも殺すであろう」という観念の生々しい衝撃。

  • Yonowaaru

    流言蜚語を報道が通常通りに機能しない「アブノーマル」な報道として捉え、事実aとcの間にあったかもしれない数々のb’やb*を見る、戦前の古典的社会学研究。それはむしろ、完全にその存在を消そうとすればするほど湧いてくるもので、まさに蜚(ごきぶり)であろう。清水先生自らの被災体験やそのあと起こった「天譴」論への批判も含め、現代の災害に通じるところも数多くある。復刻されたのが2011年の地震だが、コロナ下でもやはり示唆に富んだものだろう。

  • ◯メディア学の古典的名著。我ながら完璧なタイミングで読んだと思う。関東大震災の日、そして世界中でとある流言蜚語が飛び交っている昨今で、本書は読者に大いに実感を伴って迫りくるものがある。第一部は繰り返し読む価値があるし、様々に適用して鍛えたい。◯文章が常識的な論理性を保ちつつ、引用や具体例が豊富で面白い。震災後の「天譴」論の真意は掴みづらいが、例えば、敗戦が自然の天災のように淡々と処理されてしまうこと、根本的な思想的展開を見せずに経済が解決したというようなもの?関東大震災の体験の文章はどれも同じで飽きる。

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