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室町は今日もハードボイルド 日本中世のアナーキーな世界

清水克行

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784103541615
ISBN 10 : 410354161X
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

僧侶は武士を呪い殺し、農民は合戦を繰り広げ、浮気された妻は相手の女を襲撃する―。あなたたち、本当にご先祖様ですか?数々の仰天エピソードから浮かび上がる中世の日本人像は実は凶暴でアナーキーだった!想像の斜め上を行く驚愕の日本史エッセイ。

目次 : 第1部 僧侶も農民も!荒ぶる中世人(悪口のはなし―おまえのカアちゃん、でべそ/ 山賊・海賊のはなし―びわ湖無差別殺傷事件/ 職業意識のはなし―無敵の桶屋/ ムラのはなし―“隠れ里”の一五〇年戦争)/ 第2部 細かくて大らかな中世人(枡のはなし―みんなちがって、みんないい/ 年号のはなし―改元フィーバー、列島を揺るがす/ 人身売買のはなし―飢身を助からんがため…/ 国家のはなし―ディストピアか、ユートピアか?)/ 第3部 中世人、その愛のかたち(婚姻のはなし―ゲス不倫の対処法/ 人質のはなし―命より大切なもの/ 切腹のはなし―アイツだけは許さない/ 落書きのはなし―信仰のエクスタシー)/ 第4部 過激に信じる中世人(呪いのはなし―リアルデスノート/ 所有のはなし―アンダー・ザ・レインボー/ 荘園のはなし―ケガレ・クラスター/ 合理主義のはなし―神々のたそがれ)

【著者紹介】
清水克行 : 1971年生まれ。明治大学商学部教授。歴史番組の解説や時代考証なども務める。著書のほか、ノンフィクション作家・高野秀行氏との対談『世界の辺境とハードボイルド室町時代』(集英社文庫)が話題になった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    足利将軍が全国を支配していたと学校で教えられる室町時代だが、実際にはお上品な現代人には想像もできないアウトローが跋扈し、政治も法律も制度も機能しない欲望第一主義のアナーキズムな社会であった事実を描き出す。自らの立場や信仰や属するムラの掟が最優先で、それ以外は知ったことかという姿は『水滸伝』さながらの世界だ。他人に頼れない社会では皆がミニ梁山泊を形成し、仲間以外にはやりたい放題で合戦も辞さなかった。幕府も朝廷もまかり通る無法を統制できないのだから、戦国乱世の到来は必然だったと日本史の教科書に書くべきだろう。

  • とん大西

    面白かったです。現代と比べ、中世の頃の価値観や倫理観が大きく違うってのは勿論理解して、大河も現代風にアレンジしたものとわかったうえで楽しんでますが…。古文書の類いを丁寧に解説して具体的に例示されるアナーキーな鎌倉・室町・戦国の世界。それは乱暴で混沌としていて哀しくもあり、滑稽に映るときもあります。虹が出たら市を開く風習なんてのは興味深かったです。当時の日本人の所有意識が宗教観と地続きだったことがわかる一例かも。うん、なかなか(^.^)

  • venturingbeyond

    『小説新潮』連載の清水先生の中世史エッセイ。多元的・重層的な秩序・権力構造の下、自力救済の世界に生きる中世の人々の姿がいきいきと描かれる。『無縁・苦界・楽』で中世史の面白さに開眼した身からすると、この時代の人々の抱くコスモロジーを扱った第4部が一番興味深かった。中世末期、神仏が遍在する世界の退潮が、近世を地ならししたという転換期の見取図が、すとんと落ちた。

  • 六点

    「自力から平和へ」「多元・多層から統一へ」「呪術から合理主義へ」…終章で掲げられている中世から近世への変動であるが、この章で取り上げられているのは「乱が行く」と言う言葉である。まるで戦乱が独自の意志を持って行動しているかの表現である。今の「戦争反対」もこれに似たものがある。ぬこ田の家では21世紀に入るまで2月の節分に山伏が「法螺を吹いて」いた。これも書中で取り上げられた中世の慣行である。ぬこ田を含め、日本人は近代人のような顔をしているが、心性は書中のアナーキーな室町人から然程変わらぬのでは?と、思った。

  • kk

    図書館本。中世日本人のワイルドな生き様や当時のアナーキーな社会様相をビビッドに紹介する一冊。英雄顔負けのスーパー桶屋さん、敵の呪殺にガチに血道を上げる名刹高僧の面々、寺社での落書き仕放題の実態などなど、驚きの事例の数々。笑い事じゃないような話が多いのですが、どうしても笑わずには読めません。今の世に生まれてほんとに良かったと思います。著者のご主張は、今日の我々には不可解な行為や風習であれ、当時には当時なりのロジックがあったのであり、今の価値観で是非善悪を論じるのは良くないということ。納得です。

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