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大阪公立大学人文選書 9 人形浄瑠璃の「近代」が始まったころ 観客からのアプローチ 大阪公立大学人文選書

海老根剛

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784757610996
ISBN 10 : 4757610998
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

人形浄瑠璃はいつ、どのようにして「古典」になったのか。
またそれはいかなる意味を持つ出来事だったのか。

昭和五年一月、モダン建築の装いのもと四ツ橋文楽座が開場すると、それまで閑古鳥が鳴いていた文楽の劇場に大量の観客が殺到した。モダンな都市文化に親しんだ紳士淑女や学生たちからなる観客は、近代的な設備の整った劇場で、旧来の浄瑠璃愛好家とはまったく異なる態度で舞台に接し、文楽の魅力を発見していった。彼らこそ人形浄瑠璃を「古典」として鑑賞しはじめた最初の観客たちだったのだ。
昭和初年の大阪に出現した新しい観客たちに注目し、人形浄瑠璃の「近代」に新たな角度から光を当てる観客史の試み。


【著者紹介】
海老根剛 : 東京都生まれ。博士(文学)。現在、大阪公立大学文学研究科文化構想学専攻表現文化学専修教授。専攻は、表象文化論、ドイツ文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • trazom

    文楽を、観客の変容という視点で捉えた見事な評論。昭和5年の四ツ橋文楽座の開場で、文楽に一気に新しいお客さんが集まった。それは「無知な観客」だった――無知とは知識の欠如であり知性の欠如ではない。むしろ旺盛な知的好奇心をもって舞台に接する極めて知的活動性の高い観客たち。ここに文楽は、庶民の芸能から「古典芸術」になった(なってしまった)のだと。後半に浄瑠璃評論の変遷が紹介されているが、私は、武智鉄二さんの山城少掾一辺倒の方向性が――山城少掾の偉大さを心から尊敬した上で――、今日の文楽の衰退を生んだと思っている。

  • えりまき

    2025(11)観客の観点からみた人形浄瑠璃の歴史。聞く文楽から、見る文学への移行。「新しい観客の『無知』とは、知識の欠如を指しているのであって、知性の欠如を意味していない。」「『無知な』観客は知性を書いた観客であるどころか、旺盛な知的好奇心をもって人形浄瑠璃の舞台に接するきわめて知的活動性の高い観客である。」。「廓街の戸外の闇夜と室内の対比は、太夫の音遣いと三味線の撥捌きによって描き出されるべきものであった。」

  • Go Extreme

    新しい観客と人形浄瑠璃の関係: 観客の変化ーモダニティの感受性を内面化 映画との関係ー人形浄瑠璃もまたモダニティとの関わりを持つ 四ツ橋文楽座と観客の経験: 劇場の近代化 観客の観劇態度ー椅子席への移→リラックス 人形浄瑠璃の「古典芸術」と新作: 新作の必要性 古典と新作の関係 新しい批評の確立: 近代批評の成立ー批評家と公衆の関係形成 批評の多様性 現代における人形浄瑠璃の意義: 古典芸術としての位置づけ ジャンル横断的な活動ー古典作品と新しい試みとの往復運動の中で生き続ける

  • takao

    ふむ

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