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ユ-ラシア主義とは何か

浜由樹子

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784915730788
ISBN 10 : 4915730786
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2010
Japan

Content Description

ヨーロッパでもアジアでもない、ユーラシアとしてのロシア。ソ連邦崩壊後にロシア内外で注目を集めたこの思想は、1920年代のロシア人亡命者の中から生まれた。その思想の起源を探り、戦間期国際関係史の中への位置づけを図る。本書では、ロシアを「ヨーロッパでもアジアでもないユーラシア」と定義したユーラシア主義を一歴史現象として捉え、その起源と意義を具体的な文脈の中で再検討した。

目次 : 第1章 ユーラシア主義をめぐる史料と研究史(ユーラシア主義に関する史料出現状況/ ユーラシア主義の研究史)/ 第2章 N.S.トルベツコイのユーラシア主義(トルベツコイの生涯/ トルベツコイの思想)/ 第3章 P.N.サヴィツキーのユーラシア主義(サヴィツキーの生涯/ サヴィツキーの思想)/ 第4章 運動としてのユーラシア主義(文化・政治運動としてのユーラシア主義/ ユーラシア主義におけるトルベツコイとサヴィツキー/ ユーラシア主義への同時代の反響)

【著者紹介】
浜由樹子 : 上智大学外国語学部ロシア語学科卒。津田塾大学大学院国際関係学研究科修士課程、同後期博士課程修了(国際関係学博士)。津田塾大学学芸学部助手(2004‐2006年)、同大学非常勤講師(2006年‐)、東京大学非常勤講師(2008‐2009年)、二松学舎大学非常勤講師(2008‐2009年)等を経て、現在、津田塾大学国際関係研究所研究員、および、ハーヴァード大学デイヴィス・センター客員研究員(日本学術振興会ITPフェロー)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • Toska

    予想以上に興味深い内容だった。単に東西の狭間でアイデンティティを求めるロシアの苦闘のみならず、1920年代という時代背景にフォーカスする切り口が見事。戦間期の世界で民主主義や国民国家が危機に陥る中、出口を求めて様々な政治・思想潮流が生まれ、ユーラシア主義もその一つの処方箋という側面を持っていた。現在の世界とも重なる、古くて新しい問題。当時、イギリスと日本の識者がユーラシア主義に(いささか我田引水的な)関心を示したのは、混沌たる世界でそれだけの魅力があったのだろう。

  • ぱぴ

    1920年代、ロシア革命によって祖国を追われることになった亡命知識人の一派から生まれた「ユーラシア主義」。多民族多言語によって成り立ち、西欧とは地続きで隣り合わせながらかつてモンゴル帝国の支配下にあり、国境は当時のままという独特の歴史を持つロシアのアイデンティティを再定義することに挑戦した運動。帝政時代には当たり前だったヨーロッパ文化の絶対的価値観と、再考されたアジア文化の影響。民族、歴史、地政学、気候…

  • 90年代以降の新ユーラシア主義のことしか知らなかったので、黎明期のユーラシア主義が言語学や地政学に根拠づけられた多面的な思想だったことは意外でもあり、面白く読めた。狭量なナショナリズムを包摂することで克服しようとしたユーラシア主義が現在ではロシアの大国主義の根拠とされてしまっていることは皮肉だが、包摂される側からの視点が欠如していたりと、当時から帝国主義的なナショナリズムに転化されやすい性質は備わっていたようだ。

  • 工藤 杳

    コンパクトによくまとまっていて、最初の一冊として理想的。言語・文化から出発したトルベツコイ、地理・地政学から出発したサヴィツキー。北一輝あたりに受容されていたことについても(このへんの感じっていまゲンロンがやろうとしているロシアへの視点と似ていると思う)。

  • うki

    アジアでもヨーロッパでもないユーラシアとしてロシアを位置づける「ユーラシア主義」の起源や意義に迫った本。ロシアに興味のある人にはとても勉強になる本だと思う。

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