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京アニ事件 平凡社新書

津堅信之

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784582859485
ISBN 10 : 4582859488
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2020
Japan

Content Description

二〇一九年七月一八日―。日本を代表するアニメ制作会社である、「京都アニメーション」のスタジオに火が放たれた。結果的に三六名が死亡するという、史上最悪の放火殺人事件となった「京アニ事件」。この事件があらわにしたこととは何だったのか。アニメ史を専門とする研究者が、独自の視点から事件の深層を読み解く。

目次 : 第1章 メディアは事件をいかに報じたか(事件初日/ 「専門家」の多くが沈黙―事件翌日/ 史上最悪の放火殺人事件―事件発生3日/ 「犠牲者」から「犠牲物」へ―事件発生1週間/ 誰が犠牲になったのか―事件発生1か月/ 容疑者はどこへ行った―事件発生3か月)/ 第2章 事件による被害状況(事件発生まで/ 火災発生/ 人的・物的被害)/ 第3章 「独立国」としての京都アニメーション(アニメ史の中の京アニ/ アニメ界の旧弊を打破/ 唯一無二の作品を生み出す/ 京アニの「家族主義」)/ 第4章 事件があらわにしたこと(アニメにまつわる事件史/ 専門家はなぜ沈黙したのか/ 容疑者像をいかに捉えるか/ 実名報道をめぐる議論/ 国内外からの寄付)/ 第5章 事件をいかに記録するか(京アニの再興へむけて/ 犯罪被害者の権利保護と報道の自由/ 犠牲者の鎮魂の場/ 研究者の立場から)

【著者紹介】
津堅信之 : 1968年兵庫県生まれ。近畿大学農学部卒業。アニメーション研究家。日本大学藝術学部映画学科講師。専門はアニメーション史。近年は映画史、大衆文化など、アニメーションを広い領域で研究する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • skunk_c

    容疑者が自らの負った火傷で永らく療養し、春にようやく逮捕となった事件について、どのように切っていくのかという興味で読んだが、特に犯人の動機や犯人像についての予断を丁寧に排し、分かっていることを根拠に、著者自身の守備範囲をしっかり意識して書かれており、あの痛ましい事件に対する認識を深めることができた。実名報道の可否についても、犯罪被害者家族に対する取材攻勢という二次被害も押さえつつ、京アニの強い家族性を意識しながら、一方で不確定リストのネット出現も視野に入れて、公表すべきと論ずる。著者の良識を感じた。

  • 美紀ちゃん

    京アニファンにとって犠牲者の名前を知ることがとても重要であるという事情が分かった。監督、キャラクターデザイナーなどのメインスタッフはもちろんレジェンドだが、エンドロールに名を連ねるメインでないスタッフ名も覚えようとする。数年後そうした中の1人が才能あるアニメーターとして注目された時に駆け出しの過去から知っていたことがアニメファンにはステイタスとなるから。京アニファンらにとって被害者の実名へのこだわりは報道記者らが考えていた以上に切実で大きかった。事件で犠牲になられた方々のご冥福を謹んでお祈り申し上げます。

  • パトラッシュ

    涼宮ハルヒ以来の京アニファンなので、あの痛ましい事件には驚愕した。新聞TVやネットに氾濫した情報を追っても、犯人や犠牲者、その周辺を含め推測ばかりで事実に乏しく隔靴掻痒の感があった。相模原の事件をしのぐ大量殺傷だけに、犯人は正気が認められたら死刑は免れない。それだけに京アニの歴史や作品を熟知した著者が発生から今日に至る経緯を整理し、実名報道や寄付問題まで含め問題点を洗い出した本書は今後を考える上での里程標となろう。舞台の『十二人の怒れる男』を観てきたので、偏見や前提抜きで真実を見る重要性を痛感させられる。

  • つっちー

    凄惨な事件でありながら、いまだ、事件の背景がほぼ不明であることが、歯がゆいです。 報道も減った今でこそ、価値がある本であったと思います。 筆者が述べるように、アニメファン=異常者の様に報道がされなかったことが本当に良かった。今後、取り調べが進み、多くのことが判るとは思いますが、報道で知ることは期待できないかなぁと思っています。いつか、筆者のような人が、深く掘り下げてくれることを期待します。 個人的には、今のメディアの状況を見るに、被害者の実名公表とスタッフロールの関連は、ファンのわがままな気がします。

  • 姉勤

    もう三年になる。一人の男が、アニメーション製作スタジオ「京都アニメーション」の建屋に侵入放火し、三十六名の方が犠牲になり、さらに多くの人が重軽傷をおった。その犯罪の衝撃は、以後の個人テロリズム(政治思想とリンクしないテロル【恐怖】を、著者はテロではないと否定しているが)を見れば、日本人の心理に犯罪のハードルを下げたと言っていい。他人の成果や環境の最大値を己が享受するのを当然として、それに比して足りなければ不幸とする。常に刷り込まれる、その「平等」意識が、弱き人を犯罪予備軍とする。小人窮じてここに濫る。

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