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病気と治療の文化人類学 ちくま学芸文庫

波平恵美子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480511522
ISBN 10 : 4480511520
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

どれほど科学技術が発達しようと治らない病気はある。だからこそ人間は病気に強い関心を抱き、さまざまな意味づけを行ってきた。民俗医療や治療儀礼、宗教・民間信仰・シャーマニズムは、どのように病気とかかわってきたのか。本書では「病マケ」と呼ばれる家筋への差別構造、奄美のユタによる治療実態、明治期のコレラが引き起こした社会的混乱など、豊富で多様な民族誌的事例も踏まえつつ、文化と社会における病気に焦点をあて、総合的な文化人類学理論を構築しようとする。「医療人類学」を切り拓いてきた著者による先駆的名著。

目次 : 第1章 病気の意味づけ―病気のシンボリズム(病因論(病原論と病因論)/ 治療法 ほか)/ 第2章 病気と信仰(病気・治療・信仰/ 妖術と邪術 ほか)/ 第3章 病気と社会(「病マケ」―病気の社会的意味づけの一事例/ コレラ流行とその社会的混乱 ほか)/ 第4章 伝統的社会における医療体系(江戸時代の痘瘡治療に見られる医療体系/ 奄美のユタ ほか)/ 第5章 病気と治療の文化人類学(医療人類学/ 「文化的疾病」と「病理学的疾病」について ほか)

【著者紹介】
波平恵美子 : 1942年福岡県生まれ。九州大学卒業、米国テキサス大学博士課程Ph.D取得、九州大学大学院博士課程単位取得退学。佐賀大学助教授、九州芸術工科大学(現・九州大学芸術工学部)教授、お茶の水女子大学教授を経て、お茶の水女子大学名誉教授。専門は文化人類学、ジェンダー論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • HANA

    病は生・老・死と並んで四苦の一つである。本書はそれぞれの社会がどういう風にそれと向き合い受け入れて来たか、を論じた一冊である。前半は総論として病気の意味付けやシャーマニズムが論じられ、社会構造と病気の関係が全体的な纏められ方をされている。ただやはり面白いのは後半部、個々のケースが語られた部分かな。「病マケ」という病気と差別の問題や、奄美のユタや四国の大夫といった霊能者と西洋医療の関係等興味深からぬ所は無かった。近代医療が勝利を収めた今だからこそ、色々振り返る必要があるのではないかと教えてくれた一冊。

  • キムチ

    文化人類学という、学際的色の濃いジャンル。初めて触れた気がしない。というのも石牟礼、森田正篤、レヴィ・ストラースなど既知の論説が紹介されていた為。40年前発刊の文庫化とあって加筆修正との後書き。筆者がこの分野のパイオニアながら現役であることは素晴らしい。現代医学をもってしても尚みられる伝統医療、呪術、ユタ、シャーマン等の在り様は消滅どころか、新たなニーズもを増えている。病罹患した人々の懊悩に寄り添い答えを齎すことで人生を豊穣な輝きへ導くこともあり得る・・と。人間がいかに文化的な生物であるかを再認識させたの

  • さとうしん

    文化人類学の下位分野としての医療人類学の入門書ということだが、「病気と信仰」は文化人類学自体の中心ともなり得るテーマではないかと感じた。紹介されている事例は日本のものが中心だが、祈禱による治療は現代医療を必ずしも排除せず、むしろ二人三脚のような態勢をとることが多いというのは面白い。また明治政府による科学的・合理的なコレラ対策が、その種の知識な乏しい人に患者への差別行動を促したというのは、新型コロナウィルス対策の良い教訓となるだろうと感じた。

  • kuukazoo

    1984年出版の国内における医療人類学の先駆的著作、とハードル高そうだけどとても読みやすく面白かった。人が病気になり本人も周りも困った時何に頼るのか。治療者はなぜ病気になったか意味づけを行いそれに基づき「治療」を行う。それは時代や社会により様々だし現代においても医療への不信がある時にすがるものは非科学的であってもより納得させてくれる意味づけである。シャーマニズムや民間信仰による「治療」、クローズドな共同体内での病気による差別の事例、明治のコレラパンデミック、人が病気をどう捉えるかについて考えさせられた。

  • rune

    本書で扱われる事例は時空間においても症例においても多岐にわたるが、それらを貫いて問われるのは、それぞれの社会において病気がいかに意味づけられているか、である。西洋医学は人が「どのように」病気にかかるかをかなりの程度まで明らかにしてきた。しかし、「なぜ」病気にかかるかを説明してはくれない。なぜ、よりによってこの人が——。そう問わずにはいられない人間の習性が、多様な「病気の意味づけ」を生み出してきた。何が原因か(病原論・病因論)、どう治療するか、そもそも病気とはどういう状態を指すのか。

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