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ケガレ

波平恵美子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062919579
ISBN 10 : 4062919575
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2009
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Product Description

日本人の民間信仰に深く浸透していた「不浄」の観念とは?

民間信仰において、ケガレを祓う儀礼は頻繁に多様な形で行われていた。人間の不幸は、ケガレ=不浄に原因があると考えられ、生活の隅々にまでその指標が浸透していたのである。死=黒不浄、出産・月経=赤不浄、罪や病、境界・峠という空間等、様々な民俗事例にあらわれたケガレ観念の諸相を丹念に追い、信仰行為の背後にあるものを明らかにする。

文化人類学では、人間の文化は自分たちを取り巻く世界を構造化するものであるとする。その構造は、その文化を担う人々によって明示されている。それとは気づかぬまま、人々はその構造に従って認識し行動する。優劣を付けたり、差異化さらには差別したり、グループ分けしたり、強い関係、弱い関係を結んだり、関係を結ぶことを拒否したりする。少くとも、1980年代までの日本文化では、世界を構造化する大黒柱にケガレという指標を用いていたといえる。ケガレは差異化のもっともわかりやすい、そして、時には感情に訴え、身体反応までも引き起す強い指標であった。――<「学術文庫版まえがき」より>

※本書の原本は、1985年、東京堂出版より刊行されました。

Content Description

民間信仰において、ケガレを祓う儀礼は頻繁に多様な形で行われていた。人間の不幸は、ケガレ=不浄に原因があると考えられ、生活の隅々にまでその指標が浸透していたのである。死=黒不浄、出産・月経=赤不浄、罪や病、境界・峠という空間等、様々な民俗事例にあらわれたケガレ観念の諸相を丹念に追い、信仰行為の背後にあるものを明らかにする。

目次 : 第1章 「ケガレ」観念をめぐる論議とその重要性(民間信仰におけるケガレの観念の重要性/ 松平斉光におけるケガレ論/ 柳田国男におけるケガレ論/ 最近のケガレ論―桜井・薗田・宮田におけるケガレ論/ 岡田重精のイミの研究/ 波平のケガレ論)/ 第2章 民間信仰におけるケガレ観念の諸相―黒不浄・赤不浄・その他(死に係わるケガレ―黒不浄/ 出産・月経とケガレ―赤不浄/ 罪とケガレ・病とケガレ・その他/ 火とケガレ)/ 第3章 空間と時間とにおけるハレ・ケ・ケガレの観念(空間の認識におけるハレ・ケ・ケガレ/ 時間の認識におけるハレ・ケ・ケガレと年中行事再考)/ 第4章 「災因論」としてのケガレ観念と儀礼(災いの原因の説明としてのケガレ/ 「災因論」としてのケガレ観念の多様性/ メアリー・ダグラスにおける不浄と危険の理論)

【著者紹介】
波平恵美子 : 1942年福岡県生まれ。九州大学大学院博士課程単位取得満期退学、テキサス大学大学院博士課程修了(Ph.D.取得)。佐賀大学助教授、九州芸術工科大学(現・九州大学芸術工学部)教授、お茶の水女子大学教授を歴任。現在、お茶の水女子大学名誉教授。専門は文化人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 中年サラリーマン

    ハレ、ケ、ケガレの中のケガレを評した本。日本人の精神性の一端を感じることができるかも。しかし、日本人てのは「場」に拘束されていると思う。そこになにかが足されたり、足りなかったり違和感だったり。不思議な本。

  • たまうさ

    葬式にまつわる様々なしきたりは、仏教によるものだと思っていたのだが、実はケガレを払うというものだったと初めて知った。それにしても、神道って殆ど呪術なんだなー。

  • kuroma831

    日本人の民間信仰の中にある"ケガレ"観念を文化人類学、民俗学の観点から豊富な事例から分析する。穢/災/罪の三観念や、ハレ・ケという対存在の中で生命エネルギーの枯れた状態であるケガレであるという説など、様々な理論を紹介しつつ著者の見解を語る。章ごとのテーマが何なのか分かりにくい&いろんな学者のいろんな説に同意もあれば批判もあり、という形で引用されつつ並行で著者の説も挟まるので非常に読みにくい上、かなり文化人類学の理論的分析に入るので難しかった……笑

  • ちゅん

    ハレとケ、ケガレについて雑多なことが書かれている本。豊富な資料からハレとケ、ケガレについて全国の地方の例を挙げていますが、結論が分かりにくいですね。冒頭で著者が述べているように「本書の目的は、日本の民間信仰における不浄の観念(ケガレ観念)について、『ああでもない、こうでもない』という私見を述べることである。」とありますからね…。講談社学術文庫なのに少し残念です。

  • 坂口衣美(エミ)

    日本の「ケガレ」観について。ケガレ観は最近気になる分野。読めば読むほど奥深い…。宗教的儀礼には科学的理由づけができるもの(不衛生なものを避けるなど)もあるが、多くは「物語的」とでもいうような理由からのものであると感じた。しかしそうした「物語的」儀礼を重要視することによって、ムラ社会の結束が強まっていたのだと思う。「ひだる神」は昔の人もダルかったんだな〜と思うと面白い。月経をケガレとするのは女性差別とも考えられるが、月経時だけは家族と離れて気楽に生活できるとも思える。忌中の儀礼も、家族の死を十分に悲しむため

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