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ISBN 10 : 4794812817
Content Description
「離島」という言葉からみなさんはどのようなイメージを抱きますか? きっと、「海がきれい」、「食べ物が美味しい」、「人が優しい」といったイメージが出てくることでしょう。近年、離島は観光ブームに湧いています。訪れた、多くの方が「癒されたね。また行きたいね」と思われることでしょう。
私は、自然が豊かで、観光ブームに湧く離島を対象に、自殺予防の研究をしています。きっかけとなったのは、約10年前、宮古島市職員時代に自殺対策を担当したことですが、離島での自殺は、みなさんが想像している以上に多いのです。大学の教員に転職した現在、全国の離島を対象に、北は北海道から南は沖縄まで足を運んで調査を行っています。
本書では、私が実際に訪れ、インタビューやフィールドワークを行った五つの島を取り上げ、自殺対策についてまとめることにしました。タイトルどおり、自殺対策だけではなく観光地も紹介し、観光業の裏側で行われている自殺対策や、その実態について保健所や市町村役場、民間団体、住民の声などをインタビュー形式で紹介していきます。前著『自殺者を減らす!ゲートキーパーの生き方』(新評論、2023年)では、自殺のハイリスク地と言われる青木ヶ原樹海や東尋坊、三段壁で自殺予防に携わる方々へインタビューをしましたが、ハイリスク地は観光地でもあります。「観光」の裏には「自殺」という問題があるのです。
本書を著すにあたり、公的機関から「掲載不可」が相次ぎ、掲載を予定していた離島を変更するという事態となりました。多分、「余計なことはしてくれるな」ということでしょう。それほど、自殺の問題を取り上げるのは難しく、大変な苦労があります。それでも著した理由は、自殺者を一人でも減らしたいからです。自殺者を減らすには、島民や移住者、観光客など一人ひとりの意識が変化する必要があります。ぜひ本書を読まれて、離島における自殺について考えていただければうれしいです。
【著者紹介】
波名城翔 : 1983年、沖縄県宮古島出身。西南学院大学大学院修士課程修了。精神保健福祉士/社会福祉士。障害福祉サービス事業所、県立病院、市役所職員(高齢、障害、生活困窮)を経て大学教員へ。2020年より、琉球大学人文社会学部人間社会学科専任講師。専門は、島嶼における精神障害者支援、島嶼の自殺対策。2023年10月より、沖縄県公立学校教職員メンタルヘルス対策検討会議委員。2023年11月より、沖縄県自殺対策連絡協議会委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。
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Hiroki Nishizumi
読了日:2025/03/30
読了日:2025/03/25
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