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春のとなり

泡坂妻夫

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784523264569
ISBN 10 : 4523264562
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2006
Japan

Content Description

敗戦の混乱期を脱した昭和27年頃の神田神保町界隈。焼け跡世代と太陽族の狭間で、真摯に生きた若者たちを描く青春誌。代表作「乱れからくり」の背景と「写楽百面相」の原点が潜む異色作。

【著者紹介】
泡坂妻夫 : 昭和8(1933)年、東京生れ。本名、厚川昌男。紋章上絵師、作家。43年、奇術で石田天海賞を受賞。51年に『DL2号機事件』で第1回幻影城新人賞小説部門に佳作入選。53年、『乱れからくり』で日本推理作家協会賞を、57年には、『喜劇悲奇劇』で角川小説賞を受賞。63年に『折鶴』で泉鏡花賞、平成2(1990)年『蔭桔梗』で第103回直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • タカギ

    ミステリで奇想天外な話が多い泡坂氏ですが、直木賞受賞作など、ミステリ色の少ない話もあるんですね。要領の良い青年(著者の若い頃?)が、昼間は会社勤め、夜は夜間学校で勉強をしながら見つめた、戦後の東京。私は田舎の人間だから、戦後で大変だといっても、なんだかんだ東京は豊かだなーという感想ですが。豊村さんという女性が素敵でした。

  • yonemy

    途中、泡坂先生は義父と同じくらいの年齢と気付き、京都で紳士服仕立ての修行をしたという義父の青春時代と重ねて読み進めた。戦争を知らない我々とは、たくましさが違うとは予てより思ってはいたが、戦前戦中、戦後の混乱期と数々の不況を残り越えて高度経済成長を経て現在に至るのだから、モノが違うと納得。教養や文化への憧れを持つ反面、充分したたかな義父への理解が深まった恩ある一冊。

  • マリ

    戦後、焼け野原だったところがどんどん復興していく町と活気付いていく人達。何もやりたいことがなくて周りに置き去りにされていく自分。この時代ほど映画や演劇などにみんなが一点に夢中になっているところが羨ましい。

  • 浅木原

    昭和28年頃の神田を舞台にした自伝的青春小説。本当に淡々とした普通小説・50年代風俗小説という感じで、『乱れからくり』も5年前に読んだきりで隕石と涸れ井戸しか覚えてないし、奇術との出会いを微笑ましく思ったりはすれども、特に書くことが浮かばないでござる。まあ明らかにそういう小説なのでそれでいいのかもしれない。

  • お笑いループシュート

    仕事先での一筋縄ではいかない人たちとの交流や夜学での同級生たちとの学校生活を、当時の世相や風俗を交えて話は進んでいく。父親が亡くなり家業を継ぐことになった同級生や、自分の進路を熱く語る友を見て、まだ何をやりたいのか見つかっていない秀夫は焦りを感じる。物語はこれといった大きな事件が起こるわけでもなく、ただ淡淡と進んでいって淡淡と終わってしまう。それも含めて『春のとなり』なんでしょうね。

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