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Nhk「100分de名著」ブックス アレクシエーヴィチ 戦争は女の顔をしていない 人びとの声を紡ぐ

沼野恭子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784140819661
ISBN 10 : 4140819669
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

プロパガンダに煽られ、前線で銃を抱えながら、震え、恋をし、歌う乙女たち。戦後もなおトラウマや差別に苦しめられつつ、自らの体験を語るソ連従軍女性たちの証言は、凄惨だが、圧倒的な身体性を伴って生を希求する。初のノンフィクションでのノーベル文学賞受賞作家・アレクシエーヴィチによる「証言文学」の金字塔。

目次 : 第1章 証言文学という「かたち」(「これは女の仕事じゃない」/ 「ユートピアの声」五部作/ 証言文学という創作手法/ 五百人を超える「声」の合唱/ 証言文学は「生きている」/ 証言が響き合い、浄化し合う/ 「小さな人問」の声を拾い集めて/ 多声性によって描かれる輪郭/ 「大文字の歴史」が取りこぼしてきたもの)/ 第2章 ジェンダーと戦争(「兄弟姉妹たちよ!」の呼びかけに応えて/ 銃を手に最前線で戦った女性たち/ 勇敢な兵士と良妻賢母、二つの顔/ 「身体の記憶」を書き取る/ 紀貫之とアレクシエーヴィチ/ ハイヒールと銃弾/ 戦場で唯一私的な営み―恋愛)/ 第3章 時代に翻弄された人びと(「母なる祖国」というプロパガンダ/ 毎日流れる愛国の歌/ プロパガンダの時代が終わっても/ 捕虜になった兵士を待っていたもの/ わが国で捕虜になった者はいない/ 勝利を奪われ、差別された女性たち/ 検閲が隠す戦争の闇/ 「すばらしい顔」と「恐ろしい顔」)/ 第4章 「感情の歴史」を描く(歴史学と文学の違い/ 苦しみの言葉は時を超える/ トラウマ―終わらない戦争/ 共感=エンパシーの力/ ドイツ人へのエンパシー/ 動物や自然への共感/ 「自由かパンか」)/ ブックス特別章 逆走する歴史(ウクライナへのロシアの侵攻/ ディストピアにおける言葉/ スターリンの“功罪”/ 兵力動員/ 後戻りする時代/ 時代の証言/ アダプテーションの例/ 作家の使命)/ 読書案内

【著者紹介】
沼野恭子 : ロシア文学研究者、東京外国語大学名誉教授。東京外国語大学外国語学部ロシア語学科卒業後、東京大学大学院総合文化研究科比較文学比較文化単位取得満期退学。専攻はロシアの近現代文学。主な研究テーマは現代ロシア女性文学、日露の文化関係、ロシアの食文化など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 千穂

    『同志少女よ敵を撃て』コミカライズ版『戦争は女の顔をしていない』に続き、理解を深めるために図書館本で。祖国のために戦った女性が戦後、銃後の女たちから非難されるのがやりきれない。生き証人の記録は何より心に響く。泥沼化するウクライナ侵攻が1日も早く平穏化することを願う。

  • ラウリスタ〜

    第二次大戦に志願して参加したソ連の女性兵士たちへのインタビューをまとめた「文学」。インタビュアー自身の言葉はほぼないが、同じ女性として、公式的な戦記ではない、日常や恋も交えた記憶を引き出す場を作り出す(夫などはいない場が重要)。共感、感情、など女性的という紋切り型を追認するような側面もなきにしもあらずだが、それにとどまらない多声的文学(ドスト後継)であると主張。終戦後に帰国すると、男たちは英雄となるのに、同じように戦った女たちは、銃後の「良妻賢母」たちから売女扱い(戦場で恋があることは事実だが)される。

  • takakomama

    2021年8月に放送の「アレクシエーヴィチ 戦争は女の顔をしていない」のテキストを加筆修正。ブックス特別章「逆走する歴史」、読書案内などを収録。国家のプロパガンダではなく、戦争の体験者が生きているうちに話を聞いて、事実を後世に伝えることが重要だと思います。戦争は勝っても負けても悲惨です。

  • merci

    ☆☆☆自分より少し下に立場の人に対する哀れみを意味する「同情」ではなく、対等な立場にいる相手に感情移入する「共感」を持って、トラウマを抱えた人たちに寄り添い、時に涙しながら、自分のことのように心を寄せて証言に耳をすます。だからこのような作品が生み出せたのだろう。

  • mariko

    知らずに手に取った本なのだが、NHKの「100分で名著」で取りあげていた本だった。ノーベル文学賞を受けた本。第二次大戦に出兵した女性の話を集めたもの。 実際男性と同じような働きをしても、称賛されるわけでもなく、女だからと世間からの差別的な扱いを受けていたのだと。 この本の後半では2022年に始まるウクライナへのロシアの侵攻を取り上げている。プーチンは「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性」を揚げ、ウクライナへ侵攻を始める。 

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