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デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場

河野啓

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087816952
ISBN 10 : 4087816958
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2020
Japan

Content Description

2020年 第18回 開高健ノンフィクション賞受賞作。

2021年 Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞、ノミネート。

両手の指9本を失いながら“七大陸最高峰単独無酸素”登頂を目指した登山家・栗城史多(くりき のぶかず)氏。エベレスト登頂をインターネットで生中継することを掲げ、SNS時代の寵児と称賛を受けた。しかし、8度目の挑戦となった2018年5月21日、滑落死。35歳だった。

彼はなぜ凍傷で指を失ったあともエベレストに挑み続けたのか?
最後の挑戦に、登れるはずのない最難関のルートを選んだ理由は何だったのか?
滑落死は本当に事故だったのか? そして、彼は何者だったのか。
謎多き人気クライマーの心の内を、綿密な取材で解き明かす。

≪選考委員、大絶賛≫
私たちの社会が抱える深い闇に迫ろうとする著者の試みは、高く評価されるべきだ。
――姜尚中氏(政治学者)
栗城氏の姿は、社会的承認によってしか生を実感できない現代社会の人間の象徴に見える。 
――田中優子氏(法政大学総長)
人一人の抱える心の闇や孤独。ノンフィクションであるとともに、文学でもある。
――藤沢 周氏(作家)
「デス・ゾーン」の所在を探り当てた著者。その仄暗い場所への旅は、読者をぐいぐいと引きつける。
――茂木健一郎氏(脳科学者)
ならば、栗城をトリックスターとして造形した主犯は誰か。河野自身だ。
――森 達也氏(映画監督・作家)
(選評より・五十音順)

【著者略歴】
河野 啓(こうの さとし)
1963年愛媛県生まれ。北海道大学法学部卒業。1987年北海道放送入社。ディレクターとして、ドキュメンタリー、ドラマ、情報番組などを制作。高校中退者や不登校の生徒を受け入れる北星学園余市高校を取材したシリーズ番組(『学校とは何か?』〈放送文化基金賞本賞〉、『ツッパリ教師の卒業式』〈日本民間放送連盟賞〉など)を担当。著書に『よみがえる高校』(集英社)、『北緯43度の雪 もうひとつの中国とオリンピック』(小学館。第18回小学館ノンフィクション大賞、第23回ミズノスポーツライター賞優秀賞)。

【著者紹介】
河野啓 : 1963年愛媛県生まれ。北海道大学法学部卒業。1987年北海道放送入社。ディレクターとして、ドキュメンタリー、ドラマ、情報番組などを制作。高校中退者や不登校の生徒を受け入れる北星学園余市高校を取材したシリーズ番組(『学校とは何か?』(放送文化基金賞本賞)、『ツッパリ教師の卒業式』(日本民間放送連盟賞)など)を担当。著書に『北緯43度の雪 もうひとつの中国とオリンピック』(小学館。第18回小学館ノンフィクション大賞、第23回ミズノスポーツライター賞優秀賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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登山家・栗城史多さんの死去のニュースを知...

投稿日:2021/07/21 (水)

登山家・栗城史多さんの死去のニュースを知った時に感じた妙な違和感。ネットで今回の9回目のエベレスト登山はどのような内容だったのか調べると、ますます違和感が大きくなる。なんで不可能とも言われているルートを、両手の指が9本ない状況で目指したんだろう?もうこの登山がラストだと考えていて、エベレストで死にたかったんだろうか?そんな疑問から手に取った書籍が「デス・ゾーン」です。ノンフィクションの作品に対して、まして本人が死去されている状況でこんな事を思うのは不謹慎なのかもしれません。でも作品自体には罪はないので、読んだ感想は謎解きがあるミステリー小説を読んでいるような面白さがありました。もちろん真実は本人にしか分からないので、私たちは一生真実を知る事は出来ません。ですが私の中では最初に感じた違和感は消えたような気がします。

sorano さん | 大阪府 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ろくせい@やまもとかねよし

    有名登山家の虚構告発か。もしくはメディアにより追い詰められた若者を嘆くのか。北海道放送ディレクターとして08年から2年間栗城史多さんを取材した著者が綴る記録。04年大学時のマッキンリー登頂以来、「単独無酸素での七大陸最高峰登頂はボクの夢」のネット共有を標榜した栗城さん。しかし登山は手段でしかなかったと指弾する。09年から8回挑戦する単独無酸素エベレスト登頂。重ねる失敗を謙虚に顧みることがない。むしろ身の丈に合わないルート選択。さらに単独とは言い難いサポーターの協力や酸素利用も。8回目の滑落死を考察する。

  • breguet4194q

    運に見放された登山家だと思っていました。8度挑戦するも登頂叶わず、最後は滑落死。生前プロの登山家からは山に対する姿勢を糾弾され、「下山家」と揶揄されていました。凍傷で右手親指以外を失っても諦めなかった姿から、世間では勇気をもらった人もいます。この情報だけなら悲劇のヒーロー。ただ実態を知ると真逆。著者に偏見はなく、あらゆる関係者へ取材した証言を総括しています。エベレスト以外の六大陸最高峰を登頂した事は事実。称賛も批判もあるが、人の人生をとやかく評するのではなく、自分の生き方を見つめ直す材料にします。

  • のっち♬

    安易な美化や責任論を抑える目的で栗城の実像を追う。ネット中継で登山を劇場化する無謀企画に各方面を引き込む無心と愛嬌は傑物。同時にそれは心身を地球上で最も過酷な環境に置くことを意味していた。気づいた時には引き返せない。本書は期待の重圧と虚実乖離のストレスからビジネスマン・登山家・人としての矜持を放り投げた道化の実態が数多の関係者の口で語られる。夢の共有にしか生きられない栗城は外ならぬ内が単独無酸素。あらゆる通常ルートを拒む妄執も追い込む周囲も救い難く、見えないデスゾーンの恐怖を見えるデスゾーンで具象化した。

  • Kepeta

    推理小説的な面白さで徹夜して読んでしまった。栗城氏の事は生前にTVで少し観て「自己陶酔の激しい人」という印象だったが、本書を読んでもっと深刻な面があると感じた。何者かになりたいという漠然とした野心ばかり強く「物事を自分に都合よくしか解釈しない」「人の意見に一切耳を貸さない」「見た目のカッコつけ重視で必要な努力をしない」ような人にビジネスの適性がある訳がない。そんな人が選んだ自己演出の舞台が「下手打つと死ぬ世界」だった事の悲劇。虚像と実像の不一致に押し潰されるまで虚飾を重ねる神経は理解不能です。

  • 美紀ちゃん

    登山家の栗城さんのことは、知らなかったが ノンフィクション賞を受賞していたので読みたいと思った。 検索しながら読んだがたくさんの動画が残っていて、今でも見ることができる。 生きていた頃の栗城さん。 マナスルの動画も見たが、この本の通りだった。 人間としてはダメなところもあったのかもしれないが、登山家として魅力的な人だったのだと思う。 どう死ぬか? 死は誰にでも訪れる。 エベレストの頂上に立つことは叶わなかったが、そのエベレストで死ぬことができて、ある意味夢は叶ったのではと思った。

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