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日本海軍はなぜ過ったか 岩波現代文庫

沢地久枝著

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784006032883
ISBN 10 : 4006032889
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

戦後三五年を経て密かに始められた「海軍反省会」。部外者には非公開だった会の記録が、録音テープに残されていた。その長さ、四〇〇時間。海軍トップエリートたちの実像や、戦争突入への実際の経緯などが生々しく語られていた。勝算もないまま、なぜ日本は、戦争へ突き進んでいったのか?反省会の肉声の証言がもたらす衝撃をめぐって繰り広げられた白熱の議論、そして戦後七〇年への思い。

目次 : 1 海軍反省会、生の声の衝撃(取材で関わった海軍の人々/ 反省会を構成したメンバー)/ 2 海軍という組織(軍令部総長、伏見宮/ 開戦前の日本をめぐる国際情勢/ 第一委員会の問題 ほか)/ 3 海軍はなぜ過ったのか(長期展望の欠如/ 「それで勝てると思っていた」/ 排除の論理 ほか)/ 4 戦争を後押ししたもの(日露戦争以来の大国意識/ 開戦のための計画/ 国民の熱狂 ほか)/ 5 海軍反省会が伝えるもの(責任の所在/ 歴史を学ぶということ)/ 次世代へ伝えたいこと―私の戦争体験(歴史から人間を学ぶ―東京大空襲の夜/ 無知なる恥ずかしさ―満洲からの引き揚げ/ 中継ぎ世代の務め―代わりに言う/ 戦争体験の物語化への危惧)

【著者紹介】
澤地久枝 : 1930年東京都生まれ。ノンフィクション作家

半藤一利 : 1930年東京都生まれ。作家

戸高一成 : 1948年宮崎県生まれ。呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • おさむ

    09年放映のNスペを基にした対談。陸軍主導で戦争は泥沼化したという戦後の定説、イメージを覆す。海軍もまた「空気」にのみ込まれ、無責任体系の組織だった。「戦争は開戦決意をした瞬間に国家指導の敗北」「人間をよくわかるためには歴史が一番いい」「戦争を知らないことは罪悪」。3人のことばをかみしめたい。

  • James Hayashi

    終戦時多くの機密書類は処分され、軍の行動を省みる機会は失われていた。戦後海軍関係者が反省会を持ち400時間余りの証言が露わになった(80年〜91年、131回に渡った)。それをもとに3人が鼎談。感じるのはあまりにも無知で、勝てると思う高慢さ、また部下の命を顧みない無謀さ。無責任である。半藤氏の父は戦争開始時にすでに負けると見越していた。それが市井の人の目である。残された多くの証言も同属を庇うためのウソがあるという。歴史の真髄を見る目を持たなければ。

  • えねっちけーさんの「海軍反省会四〇〇時間の証言」が再放送されてたので本でも読みたいなと思ったら、これは映像を文章化したものではなく番組の感想諸々と御三方が対談したものであった。艦長は船と一緒に沈むのが当たり前という時代だから、中佐の古手はほぼおらず、この番組は生き残りエリートによるものという指摘。軍縮も軍人にとっては、艦長という課長とか部長みたいなポストが根こそぎ消えるようなものだからそりゃうまくいかないと聞いたことがあったけど、生身の人間だからそらなあと思いつつ、それでもなんとかならなかったかなと。

  • 金吾

    海軍反省会を媒体にしています。私は組織防衛をすることにより個人の責任を回避したのではないかと思っており、分析をしっかりして反省しなければまた同じことを繰り返すと感じていますので、海軍反省会をしっかりと読んでみたいです。

  • 白義

    海軍反省会を取り扱ったドキュメンタリー番組の総括として現代の歴史家三人が海軍の過誤の原因を問う鼎談で、元資料を前提としながら三人がいかに歴史家として反省会の参加者たちと戦後関わりどう感じたかという証言もあり面白い。かつての成功体験にこだわり過去の戦を戦う、予算獲得に奮進するも長期展望が欠け、縦割り意識の弊害が無責任の体制を生み……と明らかに今の組織論にも通じる指摘で、元番組が大評判になったのも頷ける。反省会の身内だけゆえの独自の空気を外部から容赦なく突っ込む半藤、澤地の苛烈な発言が目立ちわりと読み応えあり

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