Product Details
ISBN 10 : 4758314012
Content Description
現在の循環器診療において,PCIをはじめとするカテーテル治療,IVUS,OCT等が注目されがちであるが,「薬物療法」は循環器内科医にとって最も難しく,腕の見せ所の1つともいえる。しかし,異なる病態で同じ薬剤が広く使われ,β遮断薬などの主要な薬剤においても30程度の種類があるため,処方に難渋する場面が臨床現場で多々あるのが現状である。
そこで本書では,循環器薬物療法を「1st Line」「2nd Line」に分けて,各疾患,病態に対する処方テクニックを第一線で活躍する循環器内科医が徹底解説。薬剤の特徴や処方例,投与上の注意点等のほかに,「1st Line」「2nd Line」それぞれの選択に対する考え方も詳細に解説しており,臨床現場において薬物療法の手助けとなる1冊となっている。
序文:
薬剤に関する書籍が数多くあるなかで,メジカルビュー社から臨床に即した循環器治療薬の本を企画してほしいとの依頼を受けた。これまでに薬剤に関する書籍をいくつか編集したことがあるが,従来の薬剤関連の書籍にないような特徴をもたせ,かつ臨床医にとって実用性の高い内容にすることを心がけた。数多くの循環器治療薬を使用できる状況下で,どの薬剤を選ぶかは若い医師のみならず熟練医においてもたやすいことではない。“迷うことなく薬剤を選択できる”,このような願いをこめて本書のタイトル名を「循環器治療薬ベストチョイス」とした。一読していただければわかるように,記載内容が教科書的ではなく,目の前に実際の患者がいるかのように,どのようにして薬剤の選択を進めていったらよいかがわかる内容となっている。
項目立てとしては,循環器専門医においては必要ないかもしれないが,まずは「薬剤別」として,カテゴリーごとに循環器治療薬の特徴を理解していただくことにした。構成としては,適応疾患と使用頻度の高い薬剤が列挙され,薬剤の特徴,作用機序,副作用,禁忌事項が箇条書きでみやすく記載されている。循環器治療薬の知識の整理に役立たせることができる。次の「疾患別」は本書の特徴ともいえるべき項目であり,疾患ごとに第一選択とすべき1st Lineの薬剤が瞬時に理解できるようになっている。教科書的な疾患の解説は最小限にとどめている。“なぜその薬剤か?”,といった疑問にもガイドラインを引用しながら明快に解説している。続いて,処方(治療)の実際として同列の薬剤名が列挙されており,その後は投薬上の注意,投与期間と効果判定,副作用防止と対処,禁忌事項,肝・腎疾患合併/妊婦例が分かりやすく記述されている。なんらかの理由で1st Lineの薬剤を使用できない場合には,2nd Lineとしてどのような薬剤を選択し,どのように使用すべきかが,1st Lineと同様の形式で記載されている。まさに実臨床での使用を十分に考慮した構成となっている。また,最後にはAppendixとして,循環器治療薬と併用することの多い糖尿病薬についての項目が設けられており,これもまた実臨床での使用を配慮したものである。
このように,本書は循環器治療薬を使用することの多い臨床医にとって,バイブルともいえる書籍になったと自負している。日々の臨床において本書を十分に活用していただき,実臨床における循環器治療薬のエキスパートになっていただければ企画した者として幸甚である。
平成24年6月
東邦大学医学部内科学講座循環器内科学分野教授
池田隆徳
【著者紹介】
池田隆徳 : 東邦大学医学部内科学講座循環器内科学分野教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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