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ISBN 10 : 4872598350
Content Description
ゴジラ映画は1954年の第1作以降2021年の米国制作『ゴジラvsコング』(Godzilla vs. Kong)に至るまで、核兵器の恐怖や拡散、冷戦、そして原子力発電の安全性や地球温暖化、経済至上主義、大気・海洋汚染など、さまざまな人間がもたらす環境破壊やその要因について語り、長期にわたり警鐘を鳴らしてきた。3.11以降、日米でゴジラ映画が再評価されて復活し、日本では令和シリーズが、米国ではモンスター・ヴァース・シリーズが制作された。
確かにゴジラ映画は観客を集客するのが目的の娯楽映画であり、フィクションである。しかし、「非人間」の存在である怪獣表象には、人間の未知のものに対する恐怖や欲望が投影されており、それがフィクションの中で過去・現在、そして未来の姿として現れる。ゴジラ映画はこれまで起きた事実や現状を反映するだけではなく、人の心の底に潜むまだ曖昧で抽象的な考えや無意識の心情といったものを示唆し、近い将来に起こりうる出来事も予告してきたのである。
本書では、ゴジラは「自然の復讐である」という田中友幸プロデューサーの言葉とともに、国内外で初代作品が繰り返し言及され引き継がれてきた日米両国のゴジラ映画を、環境問題を中心に縦横断的に分析する。また同時に、前編著の『アメリカ人の見たゴジラ、日本人の見たゴジラ― Nuclear Monsters Transcending Borders』(2019)の後を継ぎ、平成シリーズ以降、日本のゴジラ映画がどのように米国で受容され、それが米国製のゴジラの誕生・発展に結びついてきたかについても、歴史学、経営学、英文学、精神分析学、比較文学、記号論、SF小説を中心とするカルチュラル・スタディーズ、映画研究など幅広い日米の研究者たちと検証する。
【著者紹介】
池田淑子 : 立命館大学国際関係学部教授、専門は記号学、カルチュラルスタディーズ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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