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笑いで歴史学を変える方法 歴史初心者からアカデミアまで 星海社新書

池田さなえ

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065367216
ISBN 10 : 4065367212
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2024
Japan

Content Description

「瀕死」の歴史学を「笑い」の力で変える―そう宣言した時、ほとんど誰にも理解されなかった。「歴史はテレビでも漫画でもネット動画でも人気じゃないか」。しかし、そんな人気とは裏腹に、アカデミアの世界における「歴史学」は硬直化し、窮乏し、見放され、もはや「瀕死」である。本書はまず、世間一般が想像する「歴史」とアカデミアにおける「歴史学」、歴史エンタメにおける「面白い」と歴史学研究から生じる「笑い」の違いから説き起こし、歴史学研究と社会との溝を埋めることに意を砕いた。その上で、なぜ筆者が「笑い」に「瀕死」の歴史学を救う可能性を見ているのか、古典的名著から最新の研究までを導きの糸として考えていく。

目次 : 第1部 アカデミズム史学とアマチュア歴史家(「歴史」と「歴史学」/ 大学の歴史学者はなぜ融通が利かないのか/ 学会とはどのようなところか)/ 第2部 タイプ別・アマチュア歴史家のススメ(自費作家型/ 「発見」重視型/ SNS・イベント活用)/ 第3部 学問と「笑い」(大学をめぐる「笑えない」現状/ 「笑い」の力/ 「笑い」を真剣に考えてきた学者たち)

【著者紹介】
池田さなえ : 歴史学者。1988年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了、京都大学博士(文学)。現在、京都府立大学文学部准教授。「一瞬笑えて、後からジワジワ考えさせられる」論文のみを掲載する、これまでにないコンセプトの学術雑誌『Historia Iocularis』代表を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • いとう・しんご

    同著者の「皇室財産の政治史」きっかけ。厳密なアカデミア研究の担う社会的役割を再考する本なのだけれど、今日の大学職員の苦難や経営課題、アマチュア歴史家との関わり、自分の研究者としての歩みなど、豊富な話題で多角的な考察に導いてくれる本。読んで良かったと思います。なお、著者のために https://www.h-iocularis.com をご紹介します。

  • 電羊齋

    本論の前提として、歴史初心者にありがちな誤解への解説を行っており、こちらの方がむしろ読み所かも。一般的なイメージとしての「歴史」と学問としての「歴史学」との違い、大学教員の仕事、学会業務、査読、史料読解、アマチュア歴史家のタイプとその活動方法など多岐にわたって触れられている。個人的には、品川弥二郎の書簡を例とした史料読解の解説が面白かった。私もアマチュアの歴史愛好者なので読んでいて参考になる点が多かった。「笑い」というテーマについては、真剣なおふざけとユーモアの大事さという点には賛同。

  • さとうしん

    「笑い」を基調とした歴史学雑誌で有名になった著者による歴史学本。タイトルにある「笑い」による歴史学よりは、大学教員の仕事、学会の業務、学会誌の査読など、その前提となるアカデミズムとしての歴史学回りの話が読みどころ。アマチュアが歴史家として活動する方法も紹介されているので、歴史学に限らず人文系の分野で何かしら学術に関することで関わりたいアマチュアは参考になることが多いのではないかと思う。「笑い」については、決して賛同はしないが、著者の「やじ」に対する偏愛ぶりは伝わる。

  • タイトルからは全く想像していなかった内容だったがおもしろかった。筆者は仲間とともに、「笑える」「面白い」歴史論文を掲載する雑誌「Historia Iocularis(いお倉)」を立ち上げたが、ここに筆者らの想定とは異なる文章が世の”歴史おじさん”たちから送られてきた、それをリジェクトするのはなぜなのか、歴史学として笑える・面白いとはどういうことなのかを論じる、といった内容。一見無意味なものをとことん調べ尽くす”狂気”に、学問における「笑い」を見出すというのは、ウェーバー的な部分もあり、なるほどと思った。

  • 袖崎いたる

    アガンベンによるベンヤミンによるカフカ読解の論評が、件の『例外状態』より引用されていて、これが気になった。その話はすぐさま本書のテーマである「笑い」のほうへと戻されていってしまうのだけれど、俺は「勉学的遊戯」なる概念に感ずるところがあって、弱った。「各人がそれぞれの戦略にしたがって、それを「勉学」し、不活発化し、それでもって「戯れ」ようとしているのである。いつの日か、人類は法でもって戯れるときがくるだろう。…それぞれの規範的な使い方に戻すためではなく、そうした使い方から最終的に解放するためにである。」

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