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中東大混迷を解く シーア派とスンニ派 新潮選書

池内恵

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784106038259
ISBN 10 : 4106038250
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2018
Japan

Content Description

いつから中東は、2大宗派の対立の構図になったのか。その対立がすべての問題の根源なのか。歴史と現実からより深い考察を導き出す。

【著者紹介】
池内恵 : 1973年、東京都生まれ。東京大学先端科学技術研究センター准教授。東京大学文学部イスラム学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(大佛次郎論壇賞)、『書物の運命』(毎日書評賞)、『イスラーム世界の論じ方』(サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(毎日出版文化賞特別賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • syaori

    中東問題についての本。中東の問題は、サウジ等の地域大国や米国等の域外大国の介入、シーア派とスンニ派に留まらずアラウィー派やキリスト教諸派、西欧自由主義やイスラム主義といった幾重にも入り組んだ分裂と対立を反映したものであることが、イラン革命からアラブの春までの流れの中で語られます。それにより国家の枠を外れた部族、宗派による紐帯が再強化され、それぞれの民兵組織が域内外の国を引き込んで紛争が国際化していること、その外部勢力も中東問題永続化の要因となっていることが示されて、その複雑さ解決の難しさが実感されました。

  • 鮫島英一

    宗派対立が中東問題の本質と安易に定義する風潮に一石を投じた作品。一方で長きに渡るスンニ派天下は、日陰者になったシーア派に怒りのドグマを発生させた。このドグマが時代を動かし、イラン革命というコペルニクス的大転換を中東に引き起こす。脅威を覚えたスンニ派はシーア派の弧という論理で国際政治に訴え、アルカイダのような過激派を跋扈させた。宗派対立はカトリックvsプロテスアントと同次元に扱えないが、中東情勢で宗派対立は否定しがたい。安易な風潮と戦う作者の苦悩に触れられる作品でもありました。まさに中東情勢は複雑怪奇。

  • skunk_c

    宗派対立が原因と捉えられがちな現在の中東情勢について、むしろそれはひとつの結果であり、また手段となっていることを解き明かす。1979年のイラン革命により、非アラブシーア派国家が出現する中、宗派というコミュニティがオスマン帝国のミレット制の中で形作られていたものが、ある意味専制的な国家体制が崩れる中でまだら状の権力として機能し始める。これがサウジやトルコなど地域大国、あるいは欧米・ロシアの錯綜する思惑の中で複雑に絡み合う様子をコンパクトに解明する。とても腑に落ちる内容。シーア派の説明も実に分かりやすい。

  • TS10

    中東における宗派間対立は、教義そのものに基づくものというよりは、秩序の崩壊後、政治の手段として利用されてきた面が大きいとする。イラク戦争やアラブの春により既存体制が崩壊した後、宗派のアイデンティティに基づく政治が展開されたが、それは、民主主義の下では恒常的な多数派と少数派との対立を生み出し、結果、ナショナリズムは希薄化し、内戦状態に移行する国も現れた。しかし、宗派の共同体間の対立と言っても、どこまでがアイデンティティに由来し、どこまでが政治経済構造に基づくものか判然としない点が、また難しい所であると思う。

  • シーア派とスンニ派の争いが中東情勢の根源とわかった気になるのはよくないと啓蒙する2018年の書。シーア派とスンニ派の争いも教義というよりは宗派が作り上げてしまったコミュニティの争いであり、政治、社会、経済という世俗的な面での争いが大きいらしい。…なんか鎌倉新仏教あたりなのかもしれない。アラブの春以降に現れた「まだら状の秩序」で国家に留まらず、様々な価値観に揺さぶられているようにも思う。…しかしこんな中東のど真ん中に異分子の塊みたいな国を作っちゃったイスラエルェ。そりゃ無理だよな。

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