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ヨーロッパ史入門 原形から近代への胎動 岩波ジュニア新書

池上俊一

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784005009459
ISBN 10 : 400500945X
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「ヨーロッパ」誕生以前の古代ギリシャ・ローマから、文化的統合体としてのヨーロッパが成立した中世半ば、そして大航海時代、ルネサンスや宗教改革を経て、絶対王政の全盛期である17世紀末までを考察。まとまりでありながら常に多様性を内包し、個性的なプレーヤーがぶつかり合いながら推進されてきた、その歴史とは?

目次 : 第1章 ヨーロッパの誕生―古代ギリシャ・ローマの遺産(古代)(自然と地理/ 人種と民族 ほか)/ 第2章 ロマネスク世界とヨーロッパの確立―中世前半(原形としてのフランク王国/ アンビバレントな「他者」としてのイスラーム教徒 ほか)/ 第3章 統合と集中へ―後期中世の教会・都市・王国(中世後半)(学問の発展と俗語使用/ 騎士と騎士道 ほか)/ 第4章 近代への胎動―地理上の「発見」とルネサンス・宗教改革(15〜17世紀)(中世末期の光と影/ スペイン・ポルトガルの海外進出と価格革命 ほか)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 夜間飛行

    ローマ帝国がキリスト教と合体し、蛮族を教化・矯正するようになると、自⇔他の意識がヨーロッパを動かし始めた。カロリング朝においては、イスラム経由でのギリシャ諸学の流入、北のバイキング、東のスラヴ、西のケルト等、外部に接する辺境こそ文明の先端となる。中世にはユダヤ人や異端が迫害される一方、各地に大学ができ、騎士道精神が謳われる…こうした動きはまさに素朴なロマネスク建築から壮麗なゴシック建築への歩みを思わせた。16世紀の海洋進出以後、ヨーロッパ人はキリスト教に加えて文明化を自らの特権と意識し、征服を正当化した。

  • まーくん

    岩波ジュニア新書、このシリーズを手にするたびに想うのだが、”ジュニア”と侮れない。簡単で程度が低いわけでは決してない。受験で世界史を選択しなかった理系の自分にとって、世界史の中核、西洋史(ヨーロッパ史)は興味はあれど敷居が高い。特に、ギリシャ・ローマから中世にかけての複雑さ。本書でも出てくる用語、固有名詞の多さには改めて驚く。それでも、この歳になると、どこかで聞いたことのある単語が多いが、意味や背景、繋がり、歴史全体の中での意義などには理解が及ばない。大事な事柄を選び出し、解説してくれる本書は勉強になる。

  • ホークス

    2021年刊。17世紀末迄の欧州史。分かりやすいが、変化の残酷さが凝縮されて息苦しい。人の業とは言え、賢者は搾取し、繁栄は滅亡を呼び、進歩は悪夢を生む。以下一部を解釈してみた。エジプト文明等を養分にギリシアが育んだ政治・学問・思想は、ローマ帝国を経て欧州文明のルーツになった。後の統治不全がキリスト教との二重権力につながり、反動としてルネサンス、宗教改革、絶対王政を起こす。イスラムは欧州に対し、キリスト教という同朋意識を与え、陸路封鎖により海洋進出を促した。欧州文明の長所は、人の叡智を磨く事と多様性にある。

  • まえぞう

    岩浪のジュニア新書は中高生を対象としたものですが、大人が読んでもためになるものが多くて、この本ではヨーロッパの歴史を全体として扱います。下巻ではフランス革命以降が取り上げられます。

  • Book & Travel

    地政学的に大きな変化に直面しているヨーロッパの歴史をおさらいしたくて、手に取った一冊。本書では、太古の印欧語族から近代手前の絶対王政の頃までをコンパクトにまとめている。ジュニア新書とはいえ易しく書かれている訳ではなく、かなり内容を詰め込んでいる印象も受けるが、ヨーロッパの輪郭を捉えつつ追っていく通史は読み応えがあった。特に著者の述べるヨーロッパ形成の4つの要素「キリスト教の霊性」「ギリシャ・ローマの理知」「ゲルマンの習俗」「ケルトの夢想」は成る程と思わされ、複層的なヨーロッパの原型を少し掴めた気がした。→

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