Product Details
ISBN 10 : 4910558497
Content Description
"本書は、化学の分野に関する知識は持っているが情報学の知識はない読者を対象として書かれています。化学分野における新規材料開発や、効率的な研究開発を支援することを目的として、情報学の手法を活用する動きが出てきました。それが、ケモインフォマティクス( 化学情報学、厳密には違いますが、ここではマテリアルズインフォマティクスを含めて考えてください) です。雑誌やテレビで、生成AI を含めた人工知能(Artificial Intelligence, AI) に関する情報を目にしない日はないと言っても良いくらい生活に組み込まれているAI を、化学領域でも活用することへの注目度が増してきています。
著者らは普段、情報化学生物学会( CBI 学会) を中心に活動しています。2017 年にCBI 若手の会を立ち上げ、ケモインフォマティクスのスキルアップや情報共有を目的とした企画などを行っています。その企画の準備中に、化学分野の出身でプログラミングの経験は無いという研究者から受けた相談があります。それは、「上司からケモインフォマティクスで何かやってみて、と言われたが、何から着手したら良いか分からない」 というものでした。会社で上司から新しい技術を試すことを勧められるということは、大変素晴らしい機会であることは間違いありません。ですが、ケモインフォマティクスで出来ること( と出来ないこと) を理解していない状態で何かに着手したところで、上司が求める答えを出すことができるとは思えません。研究を進める上で、組織としての目的がありますので、その目的に向けて課題を設定し、その課題を解決( もしくは改善) できるように分析を行うことが重要です。そして、直面している課題がケモインフォマティクスの手法で解決できるものなのか否かを判断するためには、ケモインフォマティクスで出来ることを理解しておく必要があるのです。
そこで、情報学の知識やスキルはなくても、初歩からケモインフォマティクスを体験できることを目標にした書籍を執筆することを企画しました。インフォマティクス( 情報学) の書籍は高度な数式が並ぶことが多く、一見難しそうに見えるものが多くあります。もちろん、詳細や最先端の手法を理解するためには、高度な数学が必要です。ですが、ケモインフォマティクスで扱う手法のイメージを持つことが目的であれば、そこまで難しい数式は必要ありません( 高校数学のレベルで分かることも多くあります)。本書では、筆者らの専門である医薬品開発に関するデータ分析を中心に扱っていますが、手法は他のテーマであっても転用ができますので、実際に手を動かしてプログラミングをしてみてください。自分でコードの意味を考えながらプログラミングすることで、手法のイメージを定着させることができます。ケモインフォマティクスの目的は、「化学分野の研究開発に、情報学の立場から支援する」 ことだと考えています。シンプルな手法だったとしても、医薬品・材料開発に有効な知見を得ることができれば成功です。"
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