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あの胸が岬のように遠かった 河野裕子との青春

永田和宏

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784103326427
ISBN 10 : 4103326425
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

熱く、性急で、誠実ゆえに傷つけあった―未公開日記と手紙300通から初めて明かされる、蒼き愛の物語。

目次 : 湖に降る雪ふりながら消ゆ/ 風のうわさに母の来ること/ 消したき言葉は消せざる言葉/ 手を触るることあらざりし口惜しさの/ わが十代は駆けて去りゆく/ 青春の証が欲しい/ さびしきことは言わずわかれき/ 二人のひとを愛してしまへり/ あの胸が岬のように遠かった/ きみに逢う以前のぼくに遭いたくて/ わが頬を打ちたるのちに/ わが愛の栖といえば/ はろばろと美し古典力学/ 泣くものか いまあざみさえ脱走を/ おほよその君の範囲を知りしこと/ 「夏がおわる。夏がおわる。」と/ 寡黙のひとりをひそかに憎む/ 今しばしわれを娶らずにゐよ

【著者紹介】
永田和宏 : 1947年滋賀県生まれ。歌人・細胞生物学者。京都大学理学部物理学科卒業。京大再生医科学研究所教授などを経て、2020年よりJT生命誌研究館館長。日本細胞生物学会元会長。京大名誉教授。京都産業大名誉教授。歌人として宮中歌会始詠進歌選者、朝日歌壇選者をつとめる。「塔」短歌会前主宰。読売文学賞、迢空賞など受賞多数。2009年、紫綬褒章受章。近著に『知の体力』『置行堀』(第十五歌集)。河野裕子と1972年に結婚。2010年、六十四歳で亡くなるまで三十八年間連れ添った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ちゃちゃ

    人を一途に愛することの尊さと切なさ。青春の日々「あの胸」はすぐそこにあるのに、「岬のように」遠く手の届かない寂しさや孤独を感じた…。歌人であり最愛の妻を亡くした著者が、遺品の中から見つけた若き日の二人の手紙と妻の日記。時を経て浮かび上がる「ほんたうに俺でよかったのか」との思いに、漸く妻の日記を開く。ほとばしる熱情を率直に真摯に書き綴った妻に、夫は自らの弱さや愚かさも全て赤裸々にさらけ出して誠実に応えた。まさに二人の“相聞歌”とも言える作品。一人の女性を深く愛した喜びが、今もなお著者の生を照らしているのだ。

  • どんぐり

    歌人河野裕子との20歳の出逢いと結婚に至るまでの5年、その間に永田が作った「あの胸が岬のように遠かった。畜生! いつまでおれの少年」が書名になった青春記。男女二人の世界に、あるある個人史。河野が最期に遺した一首「手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が」まで、二人は同じ歌人として40年間を共にした。永田の『歌に私は泣くだらう』と2冊合わせて読むとよいだろう。

  • しゃが

    歌人河野裕子さんが乳がんで闘病の末、亡くなられた後、歌人であり、生物学者の夫・永田さんが日記と往復書簡300通を見つけられた。いい夫婦というイメージを持っていたが、そこには「熱く、性急で、誠実でありたくて傷つけあった」出会いから結婚までが赤裸々にというか、若さというか、まさに青春が語られている。愛ゆえの性、秘密の告白、中絶、自殺未遂などの高まりと苦しみが…。歌のなかのともすれば過激な言葉は比喩表現のようにとらえていたが、それは彼らの発露だった。文字で生きてきた歌人の夫婦だからこそ、紡ぎだされた一冊だった。

  • 天の川

    細胞生物学者であり歌人でもある永田さんと女流歌人として若くして名を成した河野裕子さん。互いへの愛を詠んだ歌の数々に、歌人とはこれほどまでに心の奥底を作品に昇華させるのだと驚く。裕子さんの遺品から出てきた日記と往復書簡をもとに結婚までの道のりを記されたこの本も又。ほとばしるような恋情。互いに最後まで隠していた秘密。短歌と共に人生を歩んだ二人ならばこそ、永田さんは日記や手紙を公開することを怯まなかったのだろうと思った。1960年代、結婚年齢などの社会通念に縛られつつも、ひたすらに愛を求める青春がそこにあった。

  • マホカンタ

    『たとへば君 ガサッと落葉すくふやうにわたしをさらって行ってはくれぬか』私にとって河野裕子さんの短歌と言えば、間違いなくこれだ。短歌に詳しくないし、自分で詠むなんてことしないけど、なぜか気になるこのご夫婦。ご主人が奥さんのことを語る本を読むのも2冊目。それにしても、言葉を扱う方たちは、自分の身に起こったできごとや、心の葛藤を常に文章なり、歌なり、言葉にして表現し、残さなくてはいけない性分なんだなぁとしみじみ。奥さまを亡くされて13年。相手を亡くすことは相手の前で輝いていた自分を失うこと。すごいな。

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