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明治の一発屋芸人たち 珍芸四天王と民衆世界

永嶺重敏

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784585270584
ISBN 10 : 4585270582
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

死者十万人・罹患者十六万人という未曽有のコレラ大流行に見舞われていた明治十年代、四人の落語家により披露された一風変わった芸が民衆の心を鷲づかみにした―。「ステテコ」の円遊、「ヘラヘラ」の万橘、「ラッパ」の円太郎、「テケレツ」の談志。のちに「珍芸四天王」と称された彼らの芸は全国的な熱狂を引き起こしたものの、落語界の黒歴史とされたのか、その芸の実際の内容や誕生過程、流行過程については、謎のヴェールに包まれている。なぜこのような時期に一発屋芸人とも言える彼らが人気を博すこととなったのか。新聞・雑誌・錦絵等、諸種の同時代メディアに目を向け、都市の民衆の視点、さらには民衆の織り成す路上文化や生活世界の地点から明治前期の民衆世界を炙り出す刺激的な一冊。

目次 : 明治前期の落語界と新奇性の追求/ 第1部 珍芸の誕生とその民衆的起源(ステテコ踊りの「新手」の誕生/ ヘラヘラ・ラッパ・テケレツパアの誕生―都市路上の再現)/ 第2部 珍芸ブームの全国的拡大と民衆世界(珍芸ブームの展開過程/ 珍芸ブームが全国へ拡がる)/ 第3部 四天王の凋落と新たな芸人の登場(四天王の凋落/ 明治二十年代の新たな芸人と歌の流行)

【著者紹介】
永嶺重敏 : 1955年、鹿児島県生まれ。九州大学文学部卒業。東京大学図書館職員として、経済学部図書館、法学部附属明治新聞雑誌文庫、史料編纂所図書室等に35年閑勤務して定年退職。出版文化・大衆文化史研究家。日本出版学会、日本マス・コミュニケーション学会、メディア史研究会、日本ポピュラー音楽学会会員。著書に『雑誌と読者の近代』(日本エディタースクール出版部、1997年、日本出版学会賞)、『怪盗ジゴマと活動写真の時代』(新潮新書、2006年、内川芳美記念マス・コミュニケーション学会賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • fwhd8325

    一発屋芸人も、それが味であったりするように使われているように思います。同じネタ(芸)をこれでもかと繰り返し演じていく姿こそが本当の芸人なのではないかと思うこともあります。著書では、ステテコ、ヘラヘラ、ラッパ、テケレツの4つ4人の芸人を中心に紹介しています。この中でステテコ芸の円遊は有名で、そのエピソードはよく目にします。またテケレツは、今でもよく演じられる「死神」のまじないで使われているフレーズです。

  • gtn

    明治前期に寄席を席巻した「ステテコ」の円遊、「ヘラヘラ」の万橘、「ラッパ」の円太郎、「テケレツ」の談志のうち、割合円遊と円太郎の息が長かったのは、後ろ盾の違いではないか。二人とも大円朝の弟子。現在に例えると、かつて一世風靡した懐かしの芸人が、今も吉本の舞台に上がり続けているようなもの。

  • gtn

    四天王のうち、談志は珍芸に忸怩たるものがあったのでは。噺は本格派だったが、明治初期、それでは食えないほど江戸の落語人気も低迷。やむに已まれず、郭巨の釜掘りのマイムを始め、彼が発する「テケレッツのパー」は流行語に。だが、彼の心中は醒めていたに違いない。四人の中で一番早く亡くなる。笑点で「キザ」のキャラクターを演じさせられた故小円遊師匠を思い出す。

  • takao

    ふむ

  • kaz

    珍芸四天王や同時代の珍芸人等の動向を丁寧に探究。落語入門のような本に通説は述べられているが、それぞれの芸の起源には所説ある模様。その考察も面白い。図書館の内容紹介は『「ステテコ」の円遊、「ヘラヘラ」の万橘、「ラッパ」の円太郎、「テケレツ」の談志。全国的な熱狂を引き起こしたにもかかわらず、歴史の狭間に消えた「珍芸四天王」。彼らの実像に迫り、明治前期の民衆世界を炙り出す一冊』。

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