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ルポ 大阪の教育改革とは何だったのか 岩波ブックレット

永尾俊彦

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784002710631
ISBN 10 : 4002710637
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「低迷する大阪を教育で立て直す」。知事の「教育非常事態宣言」とともに始まった数々の改革―頻回のテストと結果の公表、学校選択制と統廃合など―は、現場をどう変えたのか。教師、保護者たちの声からこの15年を検証する。

目次 : 第1章 ある校長の「良心宣言」(「胸をかきむしられる思い」/ 「校長先生は何の間違いをしたか?」 ほか)/ 第2章 「被害者は生徒ですよ」(「教育非常事態」/ 「先生だけを引っぱたいても仕方ありません」 ほか)/ 第3章 「行政が差別をシステム化してるんです」(公教育への不信を増幅する「チャレンジテスト」/ 危機に瀕する大阪の人権教育 ほか)/ 終章 「世界一平凡な学校」を(学力が「通貨」となった米国の公教育/ 目の前の子どもを「発見」する仕事)

【著者紹介】
永尾俊彦 : 1957年東京都生まれ。毎日新聞記者を経てルポライター。著書に『干潟の民主主義―三番瀬、吉野川、そして諌早』(現代書館、第7回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞受賞)、『ルポ 諌早の叫び―よみがえれ 干潟ともやいの心』(岩波書店、第5回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞奨励賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • trazom

    大阪市長に「教育行政への提言」を提出した校長先生を処分する独善こそ、維新の本性である。チャレンジテストや学校選択制の導入など、教育の中に差別がシステム化されてゆく。教育とは「排除」ではなく「包摂」(ぬくもり)ではないのかと著者は問う。そもそもの発端は安倍内閣による教育基本法改定にある。政治家や行政の干渉から教育を守る独立性の精神が踏み躙られ、府市の維新政治がそれに呼応する。強い憤りを覚えるが、こんな人たちの介入を許す口実を与えたのが従来からの日教組の振舞いだとすれば、それもまた検証されるべきかもしれない。

  • 生ハム

    Twitterやニュースサイトで見かける、大阪の教育政策のひどい部分があまりにも目についたので読んでみた本。 知らないこともたくさんの記載があり、想像以上でした。 一番目につくのは、市長や首長の強権でしょうか。このトップダウン式の教育政策が一定の評価を受けてしまうと、この大阪のやり方を参考にする自治体も出始めてしまいそうで、 それも恐ろしいです。他にも、学力テストの平均点で内申点の上限を決めるなんて、信じられません。 よりよい教育を、という気持ちは共通していると思いたいのですが。

  • shigeki kishimura

    現状の施策と過去の施策が同じレイヤーで比較されているようには思えなかった。どちらにもメリットデメリットがあるはずだから。

  • とりもり

    70ページほどのブックレットなのに、その内容に圧倒される。一方的にオンライン授業の方針をテレビで公表したことに異を唱えた校長を、それだけで処罰する狭量な市長。学業成績以外も評価するための内申書に、学力テストの結果を加えるという間抜けな学力のダブルカウント。生徒のアンケート結果を先生の評価に使うことで、生徒に迎合する先生が出てくる多面的評価の誤った活用法。そして極めつけは教育機会の平等を確保するための公教育に、過度な競争を持ち込んで平等を奪うセンスのなさ。維新が支持される理由が全く理解できない。★★★★☆

  • みさと

    知事の「教育非常事態宣言」で始まった大阪の教育改革。統一テストと結果の公表、学校選択制と欠員校の統廃合などの改革は、従来の「ともに学び、ともに育つ」を謳って、経済的困窮家庭の「しんどい」生徒から障害者・被差別部落出身者・在日韓国朝鮮人らマイノリティーを包摂した人権教育を進めてきた大阪の公教育をどう変えたのか。現場で奮闘する人の声を拾う。首長独断で進める背景には何があるのか。公教育の市場化の向かう先には何があるのか。学校閉鎖後の跡地利用は教育プランではなく不動産プラン。読み終わったとき、怖ろしさに震える。

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