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ミシンと金魚 集英社文庫

永井みみ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087446456
ISBN 10 : 408744645X
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2024
Japan

Content Description

「カケイさんは、今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」。ある日、ヘルパーのみっちゃんから尋ねられた“あたし”は、絡まりあう記憶の中から、その来し方を語り始める。母が自分を産んですぐに死んだこと、亭主が子どもを置いて蒸発したこと、赤ん坊を背負いながら毎日毎日ミシンを踏んだこと…。諦念と悔悟を抱えた老女が、最期に手にした幸福とは―。第45回すばる文学賞受賞作。

【著者紹介】
永井みみ : 1965年神奈川生まれ。2021年『ミシンと金魚』で第45回すばる文学賞を受賞しデビュー。同作は三島由紀夫賞、野間文芸新人賞にノミネートされ、「ダ・ヴィンチ編集部が選ぶプラチナ本OF THE YEAR!2022」に選出された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ぶち

    すごいもの読んじゃいました。 自分の老後を想像すると、たくさんの不安事にかられ、暗澹たる気持ちになってしまいます。でも、この小説でとても救われました。これで、少しは安心して認知症も、介護される生活も受け止めることができそうです。そして、私に"お迎え"が来るときには、一緒に暮らしていた猫たちが総出でお迎えに来てくれたらいいなぁ、と思うのでした。私はその時、この表紙の絵のような手のひらの上の花々を見ながら、「私の人生は幸せだったと」と思いながら猫たちが来るのを待つのです。

  • nico🐬波待ち中

    「このまんま、あしたの朝、目が覚めなきゃいいのに」一人きりで眠りにつく夜、こんな風に思いを巡らす時が私にも来るのだろうか。カケイさんの老後の生き方から、自分の老後について考える。不安と孤独に苛まれそうになって怖くなった。カケイさんの人生は驚く程に波乱万丈。けれど、カケイさんの手を最期に彩る花々に、カケイさんの"しあわせ"だった頃の記憶に、リアカのお迎えに、とても幸せな気持ちになれた。最後の最後で自分の人生を"しあわせ"だったと認識できたカケイさんに胸がアツくなった。それにしても、広瀬のばーさんカッケー。

  • こばまり

    生々しいグルーヴに感心しきりであったが、なるほど著者はケアマネ勤務歴のあるお方か。生きているのが切なくなるような、愛おしくなるような、泣きながら笑うとはこのことか。かつてに比べ老人文学というジャンルが充実しているように思える。

  • タルシル📖ヨムノスキー

    200ページに満たない短いお話の中に、カケイさんという高齢女性の波乱万丈の人生がギュッと濃縮され綴られています。認知症のカケイさんは記憶も曖昧だし、話が点々と飛ぶので読み手は戸惑うこともあるけれど、それでも「今までの人生、幸せでしたか?」という質問に、自分の過去を振り返るカケイさん。なぜヘルパーをみっちゃんと呼ぶのか、その理由が明かされた時胸が苦しくなりました。もし自分がカケイさんと同じ質問をされたらなんと答えるだろう。少なくとも恨み節ばかり口にする晩年にはならないように、毎日を積み重ねていきたいと思う。

  • よっち

    認知症を患い「みっちゃん」たちから介護を受けて暮らしてきたカケイ。ある時病院の帰りにみっちゃんの一人から尋ねられ、これまでの人生を振り返る物語。父から殴られ続け、カケイを産んですぐに死んだ母。毎日毎日薪で殴ってきた継母、息子の健一郎が生まれてすぐに蒸発した亭主、そしてカケイが産み落としたみっちゃんと過ごす幸せそのものの日々。一人の老女の口からどこかユーモラスに語られるこれまでの人生はなかなか壮絶で、生き抜いて老いを積み重ねてきた彼女とたくさんのみっちゃんたちとのエピソードが印象に残る物語になっていました。

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