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大岡信 「折々のうた」選 短歌 一 岩波新書

水原紫苑

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004318132
ISBN 10 : 4004318130
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
大岡信 ,  

Content Description

短い詩句によって長い詩の織物を織る。連句の骨法を生かして織り上げた、壮大な詩歌アンソロジー『折々のうた』。大岡信が選んだ古今の和歌、短歌の数かずから精選し、四季折々の流れに乗せてゆく。古代の「よみ人しらず」の歌人から、中世、近世、近現代の著名な歌人まで、季節の移ろいに人びとの豊かな詩情が映しだされる。

目次 : 春のうた/ 夏のうた/ 秋のうた/ 冬のうた

【著者紹介】
水原紫苑 : 1959年生まれ。歌人。春日井建に師事。『びあんか』で現代歌人協会賞、『客人(まらうど)』で駿河梅花文学賞、『くわんおん(観音)』で河野愛子賞、『あかるたへ』で山本健吉賞・若山牧水賞、『えぴすとれー』で紫式部文学賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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大岡信『折々のうた』から短歌を抽出し新た...

投稿日:2021/04/14 (水)

大岡信『折々のうた』から短歌を抽出し新たに編纂したアンソロジー。 編者によると「(前略)著者への敬意を表するために、古今集に倣って、四季の歌、恋の歌、そして雑歌、愛惜歌などに代わる人生の歌という三つの部位を採用した。」とのことですが、「俳句」の巻では作者の生年順に、「詩と歌謡」の巻ではその詩句を含む作品の文学史上での順序を基軸として配列されている事を思えば、この「短歌」の巻においても、短歌史を見通せるような編集をしてほしかったというのが正直なところです。 とはいえ掲載されている短歌は何れも秀逸で、私のような短歌門外漢にはとてもありがたい一冊です。

哲 さん | 不明 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO

    この巻は「折々のうた」から短歌を編纂しなおしたものです。水原紫苑さんによるもので、春夏秋冬に分けてあり、短歌の歳時記だという気がしました。時代は様々なものが混在しており読んでいくだけで季節感が感じられます。読み直してみるとやはり大岡さんの解説は簡潔で短歌の作られた背景などがよくわかります。

  • syota

    スキマ時間に少しづつ読んで、やっと読了。大岡信の膨大な『折々のうた』から水原紫苑さんが短歌をセレクトしている。年代順ではなく古今集の部立に習って作品を配列しているので、同じ主題の作品を年代をまたいで読み比べられるのが最大の特徴。例えば最初のページでは山川登美子と能因法師が隣り合っているという具合で、読んでいて変化があって楽しい。本書(短歌1)では春夏秋冬の歌が収録されているが、永福門院など京極派の作品を積極的に取り上げているのが目を引いた。恋歌と人生の歌を収めた続編(短歌2)も読みたい。

  • あきあかね

     『折々のうた』選のシリーズの短歌篇は、時代順に編まれた俳句篇と違って、古今集に倣い、四季の歌、恋の歌、人生の歌という構成になっている。四季の歌を収める本書は、春夏秋冬の4つに分かれるのみで、藤原定家の隣に寺山修司が来るなど時代を超えた自由な並びになっている。それによって、自然や季節に対する不変の心性がより鮮明に感じられる一方、短歌の大きな歴史の変遷も的確な解説が示してくれる。 例えば、山部赤人の「田子の浦ゆうち出でて見ればま白にそ富士の高嶺に雪は降りける」の歌について、現代短歌では、⇒

  • ひさしぶり

    『折々のうた』は前のうたと次のうたが何かしら繋がり綿々とした作品となるように撰別されていたようですね。その中から季節別に古今の短歌を集めたもの。短命や悲運の人のうたは何故か心に刺さります。 覚え:●後世は猶今生だにも願はざるわがふところにさくら来てちる/山川登美子 ●鉢之子に菫たんぽぽこきまぜて三世の仏にたてまつりむ/良寛

  • kaoru

    『折々のうた』で大岡信が選んだ短歌の数々。解説は水原紫苑が書いている。実朝や紀貫之、茂吉や白秋、塚本邦雄や寺山修司。現在活躍中の歌人でもポピュラー過ぎる歌は掲載されずちょっと捻った選択が良い。当代一の詩人で評論家でもあった大岡が世を去って以来、時代の変遷もあるとはいえ言葉の世界が浅くなったように思えるのは私だけか。「現代短歌には依然として、冥界の大岡信を戦慄させるに足る、一人の和泉式部も存在していない」という水原の解説には、ネットやSNSで発信が可能になった現代短歌の隆盛への彼女なりの厳しさが感じられた。

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