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蒼老たる浮雲 白水uブックス

残雪

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560072240
ISBN 10 : 4560072248
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

棟続きの家に住む二組の夫婦。戸口の梶の花のにおいに心乱され不審な行動をとる更善無を、隣家の女、虚汝華が覗き見ていた。その夫、老況は生活能力のない男で、しじゅう空豆を食べている。二つの家の間に漲る敵意と疑念。ある夜、梶の花の残り香の中で更善無と隣家の女は同じ夢を見た…。奇怪なイメージと支離滅裂な出来事の連鎖が深い衝撃を呼ぶ中篇「蒼老たる浮雲」に、初期短篇3作を併録した残雪作品集。

【著者紹介】
残雪 : 1953年、中国湖南省長沙市に生まれる。湖南日報社社長を務めた父親が1957年に「右派」認定、追放され、20年にわたり一家は様々な迫害を受ける。文化大革命の下、中学へは行けずに父が収監された監獄近くの小屋で一人暮らしを強いられた。工場勤務、結婚を経て、1980年代に創作を開始、雑誌に短篇を発表。『黄泥街』(86。白水社)は第一長篇。その作品は英語、日本語をはじめ各国語に翻訳され、世界的な評価を得た。創作と並行して、カフカ、ボルヘス、ダンテ、ゲーテ、カルヴィーノなどを論じ、批評活動も精力的に展開している

近藤直子 : 1950年、新潟県生まれ。中国文学者。東京外国語大学英米語学科卒、東京都立大学大学院修士課程修了。日本大学文理学部中国語中国文化学科教授。2015年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • キムチ

    正月以降、寒さも重なり、生命保持装置がハレーションを起こしたかのように、らせん状に調子が激下り。知らぬとは言え、名前のイメージでえらい本をチョイスしたもんだ。のっけから「糞、屁、溺れる程の痰、むき出しの尻。。蟋蟀、巨大蛾、毒蜘蛛」ぎらつく太陽と眩しい陽射し。ぶつくさいいつつ排骨をしゃぶりゲップ。まぁ、人間界の基はそんなもんで出来ているとはいえ。空間そのモノを 時間を書くことで 現実と夢の端境を書く。それによって生を自分を語る。後で知るのだが残雪の世界は一切、背景が無い〜社会も組織も法も歴史すら無い。

  • 刳森伸一

    黄泥街の濃密版といったような感じがする表題中篇と短篇を3つ所収。相変わらず分からない小説だが、それでも慣れてきたのか、なんとなく分かるようになってくるので、人間とは不思議なものだ。とはいえは、「なんとなく」レベルであるのだが。知性で突き詰めて書かれた小説を感覚で読むのは冒涜のような、背徳のような、快楽のような…

  • 今日もおひさま

    作家、残雪の独創『蒼老たる浮雲』 『黄泥街』とは打って変わって、冒頭に構築される瑞々しい綺麗さは、あまりの世界観のふり幅に驚くほかなかったが、読み進めてみると、連続するがゆえのこの作家の特徴も見えてくる。『黄泥街』が人の生物性や死肉性の意味での生理現象を煮詰めたようなモチーフであったとするなら、『青老の浮雲』は野生生物を基本とした生物性と共に、その際たる人間の生物性をまがまがしく描き、かじり、患い、噛みつき、卑しくも離れない。 https://todayisalso-stroll.com/?p=4610

  • ミコヤン・グレビッチ

    残雪は「黄泥街」に続いて二冊目。だが、やっぱりわけがわからない。表題作はまだしも、併録の三つの短篇は、もはや小説というよりシュールレアリズムの詩(「解剖台の上のミシンとコウモリ傘の出会い」みたいなやつ)に近い。訳者による巻末の詳しい解説を読めば、作者の生い立ち、文学的な時代背景、各作品の解説に至るまで、ひと通りわかったような気にはなれる。しかし、文学研究にまで踏み込まない読書人としては、理解できたことにして片付けるのではなく、わけがわからないままモヤモヤしているのが「正しい」リアクションのような気がする。

  • ふゆきち

    残雪も三冊目ともなると傾向と対策が身についてきます。分からないなりにも『天窓』が良かったです。

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