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ピアノより大きなピアニスト 年金生活者マリーヤ・ユーディナの運命

武藤洋二

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622096399
ISBN 10 : 4622096390
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

マリーヤ#ユーディナ(1899‐1970)。スターリン本人を手紙で批判して銃殺されず、リヒテルなどが「太陽のように崇めた」ロシアの伝説的ピアニストである。庵に住んで「窓の月」を唯一の持物とした良寛。「丈夫ナカラダ」に憧れながら、農民のための肥料設計に命を削った宮沢賢治。ベートーヴェン、カザルス、チェーホフ、石牟礼道子、樹木希林など、私たちにもなじみのある“群像”とともにユーディナの生き方を描く。人の嘆き、悲しみ、おののきを自らのものとするピアニストの音色。ユーディナの演奏は内的な力が外へと放熱し、音楽そのものとなって彼方へと向かった。専門にとじこもらず、命を使う場がピアノより大きかった比類なきピアニストの光跡。

目次 : 第1章 白いカラス/ 第2章 犬にも暖かさを/ 第3章 赤の他人の命/ 第4章 「私はまず第一に人間である」/ 第5章 生活と暮らし/ 第6章 「皆濁り」/ 第7章 「よく用いられた一生」/ 第8章 自分と身分、あるいは交響曲第七番

【著者紹介】
武藤洋二 : 1939年9月30日生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科卒業。大阪外国語大学ヨーロッパ1講座教授をへて同大学名誉教授。主として帝政ロシヤとソヴェトを拠点にして人間を追っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ほんままこと

    非常に面白く深く複雑な味わい。文体に知性と諧謔があって読書の楽しみも大。リヒテル以上とされたピアニスト、マーリヤ・ユーディナはピアノ演奏という天賦の仕事以上に、身辺の困窮した人、犬、猫を放っておくことができない女性で、年金のほとんどをそのために使い、自分は食べる物も無い。ピアノも持てず、貸しピアノの代金さえ払えない。スターリン体制を批判し演奏者としての活動も妨害されている。魂の純度、崇高さは並外れていて、彼女に並べつつ宮沢賢治、良寛、カザルスなどが自在に語られ、よりよく生きることこそが芸術であると感じた。

  • 半崎クジラ

    自分の年金をはたいて貧しいひとびとの救済に奔走したピアニスト、マリーヤ・ユーディナの人生。宮沢賢治や良寛、ヴェートーヴェンの人生も交錯(それは同一平面上というのりはねじれの関係にある)し、特に宮沢賢治の鬼気迫る生き様(生き様という言葉は多分一度も出てきていないが、それはまさに生き様だ)。小気味良いテンポでスイスイ読める。他者の恵みを受け付けない救済者の態度は多くの常識人にとり理解不能であり時には怒りすら呼び起こすが、それは救済を一部に押し付けているという前提意識が持っているからだ、と突きつけられる。

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