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愛と死

武者小路実篤

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101057033
ISBN 10 : 4101057036
Format
Books
Publisher
Release Date
January/1993
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

一瞬にして齢を取ってしまった。それほどの恋だった――。【恋愛の真髄に迫る不朽の名作。】


友人野々村の妹夏子は、逆立ちと宙がえりが得意な、活発で、美しい容貌の持主。小説家の村岡は、野々村の誕生会の余興の席で窮地を救ってもらって以来、彼女に強く惹かれ、二人は彼の洋行後に結婚を誓う仲となった。ところが、村岡が無事洋行を終えて帰国する船中に届いたのは、あろうことか、夏子急死の報せであった……。至純で崇高な愛の感情を謳う、不朽の恋愛小説である。

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

    かつてはあった気がしている。かくも美しく純粋な「愛」というものが。それの為に何もかもが輝いてしあわせに弾けている、瑞々しい世界。貴女はうつくしく溌剌と宙に舞う。夢のような、其の姿を微笑み、巴里でふたりのものを揃える幸福。かつてはあった気がしているそのよろこびを、異国のもののように思い、描く。愛!僕たちは愛のために生まれてきた。 死、若い者のそれはあまりに悲しく、ただかなしむこと以外、生きているものは死んだ者に対してすることができない。そしてそれは死んだ者の為、ではなく、只管に生きているものの為なのだ。

  • ykmmr (^_^)

    ある意味、対比したものをぶつけた題名であるが、本当にその通りの、ストーリーである。村岡という男が、年齢重ねても、その姿を追いたくなる夏子という女性と出会い、恋愛までの過程を経て、2つの突然の『別れ』を経験するという話。1度目の別れは、この時代らしく、味わい深い手紙で繋がり、『再会』の時をじっくり待ちながら、気持ちを高める。そして、思いもよらない2回目の別れ。まさか…とこちらも、一緒に思ってしまうが、これが題名の対比を更に高めていると思う。21年経っても、色褪せない若い頃の、大恋愛&悲恋。

  • takaichiro

    武者さん、昭和十四年発表の純愛小説。人生を共に歩もうと約束した私(村岡)と夏子。パリへの留学中も日を置かず、愛の言葉を手紙でやりとりする二人。日本への帰国の途、一通の電報が。夏子の突然死を伝える、彼女の兄からのものであった。二人が愛を育むシーンがずっと続く中、急に目の前に暗幕が下され何も見えなくなる様な衝撃。身内の突然の訃報に触れた時と同様、涙が出る余裕もないほどのショックを受けた。80年も前に書かれた作品。とても丁寧で美しい言葉とわかりやすい筋立てで青春期の純愛、愛と死の構図を表現。とても良いです。

  • 新地学@児童書病発動中

    強烈な印象を残す恋愛小説。作家の野々村と友人の妹の夏子の清らかな恋愛が突然終わりを迎える結末は、読んでいて胸が痛くなった。お転婆でユーモアがあって、優しい心を持った夏子は日本の文学の中で最も魅力的なヒロインではないだろうか。物語の中で描かれている恋愛は清々しくて、微笑ましい。だから結末の悲劇が胸にこたえるのだろう。あまり男が涙を流さない日本の小説の中で、悲しみのあまり号泣する野々村を結末で描く武者小路実篤のあけっぴろげな姿勢が、非常に好きだ。

  • しいたけ

    コロナのこの時期だからこそ読んだ。毎日「今日は何人死亡」「何人感染」とニュースで聞く。専門家の中には「一人一人の患者のことも大事ではあるが、もっと全体的な対策を練る時期にきている」と言う人もいる。現場の医師が「私たちは目の前の患者を救うことしか考えられない」と吐露する。苦しむ目の前の患者を見ながら、この人は死んでも、後の患者を沢山救うためにバランスをとるなんてことが出来るだろうか。洋行帰りに電報で知る婚約者の死。長く続く痛みと哀しみ。私たちは何を大切に考えなければならないのだろう。

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