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紋切型社会 新潮文庫

武田砂鉄

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101216614
ISBN 10 : 4101216614
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2019
Japan

Content Description

何気なく耳にするフレーズには、実は社会の欺瞞が潜んでいる。「うちの会社としては」の“うち”とは一体誰なのか。「育ててくれてありがとう」が貧相にする家族観。「国益を損なうことになる」は個を消し去る。「会うといい人だよ」が生む閉鎖性。「なるほど。わかりやすいです。」という心地よい承認の罠。現代の紋切型を解体し、凝り固まった世間を震撼させる、スリルと衝撃のデビュー作。

目次 : 乙武君―障害は最適化して伝えられる/ 育ててくれてありがとう―親は子を育てないこともある/ ニッポンには夢の力が必要だ―カタカナは何をほぐすのか/ 禿同。良記事。―検索予測なんて超えられる/ 若い人は、本当の貧しさを知らない―老害論客を丁寧に捌く方法/ 全米が泣いた―“絶賛”の言語学/ あなたにとって、演じるとは?―「情熱大陸」化する日本/ 顔に出していいよ―セックスの「ニュートラル」/ 国益を損なうことになる―オールでワンを高めるパラドックス/ なるほど。わかりやすいです。―認め合う「ほぼ日」的言葉遣い/ 会うといい人だよ―未知と既知のジレンマ/ カントによれば―引用の印鑑的信頼/ うちの会社としては―なぜ一度社に持ち帰るのか/ ずっと好きだったんだぜ―語尾はコスプレである/ “泣ける”と話題のバラード―プレスリリース化する社会/ 逆にこちらが励まされた―批評を遠ざける「仲良しこよし」/ そうは言っても男は―国全体がブラック企業化する/ もうユニクロで構わない―ファッションを彩らない言葉/ 誰がハッピーになるのですか?―大雑把なつながり/ 生産性―誤解を招いたとしたらお詫びします

【著者紹介】
武田砂鉄 : 1982(昭和57)年、東京生れ。大学卒業後、出版社勤務を経てライターに。2015(平成27)年、初の著作『紋切型社会』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 佐島楓

    論法は好きではないし、一部品性を欠いていると感じた箇所もあるけれど、正論がほとんど。ちょっと突っ込み足りないなと感じたところもあったが、その突っ込みもおそらく他者が既に行っているという判断のもと書かれたのかもしれない。全体に通底する社会批判には、頷けるものがあった。

  • エドワード

    最近、言葉にデジャヴを感じることが多い。これ前に見たぞ。また同じ言い回しだ。広告はそんなのばかりね。あふれる日本語を通じて現代日本を「紋切型社会」と呼称する著者の洞察の鋭さ。何を言っているのか理解不能なテレビの日本語。イメージだけのインタビュー。安全圏から放たれる批判。謝る気0%の謝罪。語尾のコスプレはギャグ満載で笑える。「うちの会社」は自分でも言っているな。言葉の乱れと称して口語や新しい言葉遣いを排除する勢力が日本語の豊かさを損なう、という指摘は日々実感する。ということで「本当の主役は、あなたです。」

  • tomi

    「育ててくれてありがとう」「国益を損なうことになる」といった巷にはびこるフレーズに隠された欺瞞を暴く論考。過去を礼讃する大御所作家の説教臭新書と嫌韓本の読者がリンクしている事の考察など厳しいながらも鋭い指摘。最後の「生産性」は安倍氏取り巻き連中の傍若無人さに改めて呆れ返る。稲田朋美のカツ丼を食べた後に「カツ丼なんて食べていない」と言い張るような答弁、“文藝評論家”小川榮太郎の、文章への厳しい声を受け止めずに、読み手の方がその文章を理解できるレベルに達していないと言い続ける、強気で押し切る姿勢は酷い。

  • Y2K☮

    文庫版新章を読んで安心。力みが抜けていたから(ヘイト本置かない宣言の某書店には方向性は正しいが謙虚さを忘れずにと云いたい)。言葉を生業とする者の矜持と責任が揺らぐ現状を手製の刃でぶった切るのは見事。でも全ての球を全力でコーナーへ投げても打たれる時は打たれるし、手を掛けたフルコースが続けば家でお茶漬け食べたいとなるのが庶民の性。芥川やシド・ヴィシャスに心酔しているとかじゃないなら、長く続ける為にも手抜きではない正当な抜き方をと思う。若い頃、連日ムーンサルトプレスで飛び続けた武藤敬司の膝は今や人工関節なのだ。

  • hatayan

    わかりやすい言葉を求めてわかったつもりになることへの疑義を一冊ごと問題提起。 読み終えて、これは著者の心に積み重なった「ルサンチマン(恨みや嫉妬といった負の感情)」を開陳した書であることに気づきました。 著者の出身大学を卑下して「積極的な思想を持たずに人と人とのとっても素直な助け合いをこなす中堅大学」「素直で従順と人事部に人気の私たち」と記す箇所などで、屈折した感情と現状への反抗心が直截に伝わってきたところです。 作中では、昭和の名ジャーナリストの本田靖春氏を信奉していることも明かされています。

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