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財閥の時代 角川ソフィア文庫

武田晴人

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784044005627
ISBN 10 : 4044005621
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

今なお、陰に陽に存在感を発揮し続ける企業集団・財閥。類まれなる勢力を誇る一方で、その背景には、黎明期の資金調達をめぐる苦闘やオーナー一家と経営陣の軋轢、時の政府・諸外国との丁々発止など、現代のビジネスにも通ずる奮闘があった。「家業」から出発して多角化を進め、独自の組織を作り上げた「日本型企業の源流」は、激動の近現代をどのように歩んできたのか。知られざる軌跡に、日本経済史の権威が鋭く迫る。

目次 : 幕末維新の危機―富豪たちの明治維新/ 政商の誕生―政府が生むビジネス・チャンス/ 政商の資金源―事業と資金の出会い/ 政商からの脱皮―多角化への挑戦/ 家政改革と家憲―総有制の知恵/ コンツェルン化と持株会社―巨大化する組織の整備/ 専門経営者の登場―現場の知恵と現場の管理/ 商社ブームと破綻―「大正バブル」のバランスシート/ 鈴木商店の挫折―借入依存と組織改革の欠如/ 三大財閥の覇権―持株会社支配のネットワーク/ 恐慌とドル買い―財閥批判の背景/ 財閥の転向―改革のポーズと内部資本市場/ 戦時態勢と財閥―優先された出資者利害/ 財閥解体―追求された戦争責任/ 企業集団と財閥―三等重役と株式持合い

【著者紹介】
武田晴人 : 1949年、東京都生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。博士(経済学)。東京大学社会科学研究所助手、東京大学大学院経済学研究科教授などを歴任ののち、現在東京大学名誉教授。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • keint

    昭和維新運動で打倒の対象にされた財閥について知識を得たかったので読んだ。明治時代から戦後までの財閥の歴史が話し言葉でわかりやすくまとまっている。財閥解体の過程、持株会社やメンバシップ雇用などの日本の企業の仕組みが財閥の事業多角化に由来するものであるなどたくさんの近代経済史の知識が得られた。あまり本を読まないサラリーマンにも企業の歴史という題材のため、ビジネス書の一種としておすすめできる歴史本である。

  • 筑紫の國造

    経済史家による、近代日本の経済を動かした財閥の外観史。江戸時代の有名商人から明治に勃興した新興まで、財閥は当初政治と結びついた政商として始まった。やがて彼らはコンツェルンとなり、日本の経済を支える存在となる。しかし敗戦によってその形式は終焉を迎え、新しい企業形態として復活することになる。時代の影響を受けた財閥がいかに変遷してきたのか、元は講義録なので語り口が非常にソフトでわかりやすい。ただ、時代が財閥に与えた影響だけでなく、財閥が時代に与えた影響についてもう少し知りたかった。

  • 元気伊勢子

    無理をして読まなくてもいいのかもしれないが、経済音痴なのが気になり、読んではみたものの自分が思っていた内容とは違い、あまり頭には入らなかったけれど、財閥が今の日本の会社の基礎を作った一面もあると言うことだけ理解した。

  • maqiso

    明治初期の事業家は政府や旧大名家と結びついていたが、官業払下げなどで多角化を図り、大戦と金融恐慌を経て三井・三菱・住友の三大財閥のみが残った。他の企業は専門経営家の不足や借入金への依存によって破綻・縮小していった。三大財閥は持株会社を頂点に子会社・孫会社が多くの業種に広がる形態を取ったが、規模が拡大すると本社の資金では子会社への投資を賄えず、子会社株の売却も行われた。戦後の企業集団とは異なり、戦前の財閥は同族の所有物という面が強かった。破天荒なエピソードが多くて面白い。

  • 熱東風(あちこち)

    有益だった。/財閥の歴史を分かりやすく解説してくれている。/日本の近代政治史が好きな自分にとっては、財閥といえば真っ先に思い出すのが金解禁崩壊の際の三井によるドル買いだが、本書を読むと、三井は釈明しているものの、商いの行動として当然のことをしたままでだというのもやはり苦しい言い訳にしか聞こえないということ。

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