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持統天皇と男系継承の起源 古代王朝の謎を解く ちくま新書

武澤秀一

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480073983
ISBN 10 : 4480073981
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

古代の大王・天皇には男性と女性、男系と女系が入りまじっていた。それが男系ばかりになったのは、なぜか?そして、いつ、誰が、どのように?本書がまず注目するのは、天孫降臨神話とともに成立した持統「双系」王朝である。始祖となった女性天皇は代替りをタテの血脈でおこなう天皇制システムを創出し、皇祖神を祭る伊勢神宮に永遠の更新システムを埋め込んだ。しかし持統没後、双系継承は覆る。男系継承は藤原不比等が主導した平城京遷都に仕組まれていたのだ。神話、大嘗祭、王宮や王都、終末期天皇陵から古代王朝の謎を解き明かす。

目次 : プロローグ―アマテラスと「男系」の溝/ 第1章 女性を始祖とする王朝への五つの視点/ 第2章 神話と結びつく“持統王朝”/ 第3章 天皇制の礎―恒久の都と更新の思想をつくる/ 幕間 世襲王権はいつから、そしてどのように?/ 第4章 平城京遷都は「男系」継承への道/ 第5章 「男系」継承の樹立と“持統王朝”の終わり/ エピローグ―「黒作懸佩刀」の話はどこまでほんとうなのか?

【著者紹介】
武沢秀一 : 建築家・著述家、博士(工学・東京大学)。1947年、群馬県前橋市に生まれる。東京大学工学部建築学科、同大学院建築学専攻をへて同大学助手を務めた。その後、独立して用美強・建築都市設計を主宰。東大、法政大学、武蔵野美術大学、放送大学、早稲田大学オープンカレッジで講師を歴任。建築が政治・宗教・文化を牽引してきたことに注目して現在、著作の執筆に専念している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    持統女帝の右腕として王朝確立に貢献した藤原不比等が、天皇の死後は王朝を自分の血で乗っ取る沈黙のクーデターを皇位の男系継承という手段で遂行するとは。自分を登用し才を愛でた持統天皇を裏切って一族の繁栄を追求した不比等の政治的思惑が浮かび上がり、長く日本の歴史を縛り続けた強烈な意志が怖いほどだ。その間に長屋王をはじめ邪魔になる皇族を多数粛清した果てに、今日まで至る万世一系の幻想が生まれたプロセスを説得ある形で提示する。藤原京や平城京遷都や都市設計にも藤原氏の政治的意思を見るなど、古代史を視る視点を一変させる本。

  • mazda

    脈々と続く男系天皇の起源は、やはり神話ができた頃なのだろうと思います。女性天皇はありですが、女系なんてものはあり得ません。そもそも似たような言葉を使って、女系容認をあおるマスコミは姑息です。

  • syota

    本書のキモは次の一文だろう。「男系継承による皇統は、太古の昔から自ずと続いてきたのではありません。臣下であった藤原不比等とその息子たち四兄弟が皇室に介入し、藤原の血を引く聖武天皇をつくりあげたうえにこれを囲い込み、長屋王家という有力な女系皇族集団を滅亡させたことによって確立されたのです。」今年刊行されたばかりだが、自民党総裁選に絡み皇位継承問題が改めて注目され、「男系継承でなければ日本は滅亡する」などと勇ましい発言まで聞こえてくる昨今、まさにタイムリーな一冊だ。

  • Toska

    建築家の手による異色の古代史。藤原京と平城京の設計思想などは流石に本職の視点で興味深いが、それ以外は地に足のついていない印象が拭えない。そもそも古代天皇家は(系譜を信じるなら)濃密な近親婚による閉鎖的な親族集団で、このもつれた糸を解きほぐさない限り男系・女系の議論など成立しないのでは?父母双方に皇家の血を求める特殊な観念を「男女双系」として一般化できるものかどうか。

  • はちめ

    アカデミズムの古代史家ではないのでときに自由に想像を膨らませて記述を進めることによってリアリティーが増していると思う。 本書は現在議論が行われている天皇の承継問題に一石を投じることを念頭に置いていることを序文で述べている。ただ、著者も記述しているように長屋王謀殺事件などによる藤原家による天皇家の血統の争奪は、あくまでも藤原家の血統を天皇家の中で維持することを目的としたものであり、女性天皇を否定したものではないし、男系継承を強調したものでもないと思うのだが。本書は面白さでは☆☆☆☆☆です。

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