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うつくしい繭

櫻木みわ

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065139660
ISBN 10 : 406513966X
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2018
Japan

Content Description

記憶にみちびかれて、私は変わる。

【著者紹介】
櫻木みわ : 福岡県生まれ。大学卒業後、タイの現地出版社に勤務。日本人向けフリーペーパーの編集長を務める。その後、東ティモール、フランス、インドネシアなどに滞在し、帰国。2016年、「ゲンロン大森望SF創作講座」を受講。第1回ゲンロンSF新人賞の最終候補に選出され、『うつくしい繭』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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ハードカバーの小説が壊滅的に売れない現在...

投稿日:2018/12/30 (日)

ハードカバーの小説が壊滅的に売れない現在で、 無名の新人の、しかも短編集で、デビュー作という三重苦を背負っても尚、四六判で出す! それだけ出版社が自信を持って送り出せる驚異の新人なのだろう。 まず文章が美しい。 作者の言葉を通して、読者は、読者自身の五感が研ぎ澄まされていくような感覚に陥ってしまう。 次作が楽しみだ!

Joe さん | 大阪府 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • こーた

    東ティモール、ラオス、南インド、九州南西諸島。それぞれの国と地域を、四つの物語が繋ぐ。過去の〈声〉に耳を傾けると、はじめは細く短かった〈記憶〉の糸は、次第に長く太くなって、やがてはアジアの国々を繋ぐ大シルクロードとなる。蚕の吐き出す糸の紡ぐ物語は、わたしたちの内側に眠る記憶まで喚び醒まして、うつくしい繭のなかにその物語を閉じ込める。よかったのは表題作と「マグネティック・ジャーニー」。「夏光結晶」はやや荒削りか。今度は短編ではなく、もっと壮大な物語も期待したい。この書き手ならば大長編もきっと書けるはずだ。

  • ネギっ子gen

    【そのときのことをすっかり忘れてしまうなら、大人になることに何の意味があるのだろう?】SF的世界を舞台に、記憶に関するエッセンスが詰まった、カバー装画の白さが好印象な4編。素敵な記述にたくさん出逢えた。とりわけ、表題作「うつくしい繭」に沁みる文章多し。佳品。<繭から出たばかりのカイコ蛾のように弱々しい足取りだが、私は自分から、その時間へと進んで行ける。何があっても、自分の大切なものを大切にすることができる。どんなことからも何とかしぶとく恢復してきた、たくさんの生の記憶が、自分のなかにあるはずだった>。⇒

  • 星群

    初読み作家さん。毒があっても、まちがえることがあってもかまわない。いつでも自分に立ち返ればいいのです。$テ寂な空間で良い意味で、背筋がピンっと伸びる様な感覚になる文章だった。また不思議な雰囲気をもった作家さんに出逢えた。話は其々独立してるけど、か細く繋がっている世界観が好き。『夏光結晶』が不思議で印象的。

  • カノコ

    東ティモール、ラオス、南インド、日本の南西諸島。実際に世界の様々な場所に降り立ったような気にさせる、彩度の高い作品集。土の、緑の、雨の、香辛料の、強く濃い匂いがページから立ち上がっている。とにかく、文章がいい。極彩色なのに目が痛くなく、五感をくすぐる透明度の高い言葉が、心を震わせ、身体に染み入る。"死者の声"が聞こえる貧しい少女の選択を描いた「苦い花と甘い花」で打ちのめされ、何かに導かれたようにインドを訪れた女性の「マグネティック・ジャーニー」の描写に意味もなく泣きそうになる。とんでもなく好き。

  • papapapapal

    読後、物語たちが持つ力強さにしばし呆然。異国情緒とファンタジー要素が上手く絡まり合い、そんなこともあるかと納得させられる。ラオスの山奥で自分自身の過去を観る表題作『うつくしい繭』と、謎のメモに導かれ南インドに滞在する友人を訪ねる『マグネティック・ジャーニー』が特に良き。アジアの色使いや森と海と町の匂い、味、極寒のシベリアの身を刺すような冷気を強く感じる。たくさんの人々の想いや歴史が積み重なって、その上の「今」を生かされている私たちの神秘を思った。櫻木さん、これがデビュー作とは驚き。

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