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彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠 文春文庫

樋田毅

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784167922061
ISBN 10 : 4167922061
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2024
Japan

Content Description

1972年11月、革マル派が支配していた早稲田大学文学部構内で、一人の学生が虐殺された。後に「川口大三郎君事件」と呼ばれるこの悲劇をきっかけに、一般学生は自由を求めて一斉に蜂起。しかし事態は思わぬ方向へと転がり、学外にも更なる暴力が吹き荒れて―50年前、「理不尽な暴力」に直面した著者が記した魂と悔恨のルポ。第53回大宅賞受賞作。

目次 : プロローグ/ 第1章 恐怖の記憶/ 第2章 大学構内で起きた虐殺事件/ 第3章 決起/ 第4章 牙をむく暴力/ 第5章 赤報隊事件/ 第6章 転向した二人/ 第7章 半世紀を経ての対話/ エピローグ

【著者紹介】
樋田毅 : 1952年(昭和27年)、愛知県生まれ。県立旭丘高校卒業、早稲田大学第一文学部社会学科卒業。78年、朝日新聞社に入社。高知支局、阪神支局を経て大阪社会部へ。大阪府警担当、朝日新聞襲撃事件取材班キャップを務めたのち、京都支局次長、地域報道部・社会部次長、和歌山総局長。朝日カルチャーセンター大阪本部長等を経て、2012年〜17年まで大阪秘書役を務め、同年12月退社(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 九曜紋

    自分が入学するわずか7年前、母校がこんな混乱の極みにあったことを不覚にも知らなかった。学問の府であるはずの大学が戦場であることの不条理。暴力に対して非暴力・不服従を理想としながらも現実とは乖離する無念さ。私は充実した大学生活を送ることができたが、学生気質が変化し、政治の季節が過ぎ、大学のレジャーランド化等、ただ時代の幸運に恵まれただけなのかもしれない。在学中も革マル派の影響力は存在したし、与り知らぬところで軋轢はあったのだろう。校舎や諸施設が建て替わり当時を回顧するのも難しくなった。時代の流れを感じる。

  • 浅香山三郎

    革マル派がかつて早稲田大学を拠点としてゐたことは知つてゐたが、川口大三郎さんのリンチ殺人事件と、その後の対革マル蜂起のことはよく知らなかつた。排他的で異論に不寛容な新左翼セクトによる大学支配が、殺人を正当化してゆく怖さと、大学当局の保身的な立ち位置など、その時代ならではの事情と、著者のその後のキャリアでの、普遍的な組織一般の体質の問題などにも紙幅を割く。学生側・革マル側双方のかつての当事者に取材し、半世紀後に本書をまとめた著者の執念を感じる。当事者のその後に触れた「文庫版のためのあとがき」も興味深い。

  • Rieko Ito

    著者は新聞記者だっただけに、文章は読みやすく明晰(とはいえ予備知識なしでは理解不能だろうが)。しかし当時の情勢にかなり深くかかわる立ち位置にあったにもかかわらず、新聞記者的な他人事感が全般に漂ってもいる。当時の革マル派の学生組織幹部などにもインタビューしているが、彼らにもやはり他人事感がある。誰もが(著者自身も)あの世まで持って行く嘘や隠しごとや言えない思いを抱えていそうで、その辺も含めて興味深い内容になっている。

  • 瓜月(武部伸一)

    2021年出版の単行本版は刊行後直ぐ読了。著者の「文庫版のためのあとがき」を読むため購入。後書きは、1972年、早大での革マル派の暴力支配に対し闘った学生たちの「それぞれの生き方」。著者が本書出版のため連絡を取ったかつての仲間の内、15人のその後の人生を実名で記している。その軌跡は様々だが、どの人の生き方もとても良い。一方で当時の革マル派活動家は、今、自分の人生を堂々と語ることが出来るのか。どちらに義があったのかは明らかだろう。しかし帯の「内田樹氏推薦」は無い。彼の東大革マル時代の反省は未だに浅いと思う。

  • TOMTOM

    自分が生まれるより前、1972年からの数年の早稲田での闘争。革マル派、中核派、そのほかさまざまなセクトがあり、生々しい暴力的な日々が伝わってくる。著者は非暴力と寛容を行動原理としていたが、構内での暴力が増していく中で非暴力を貫けない人たちも現れてくる。読み終わって感じたのは、その数年だけを切り取っているため、彼らの闘いの目的がよくわからない。おそらく安保闘争を機に活性化した活動家たちが分派していったのはわかるが、早稲田の自治を巡っての闘いとはあまり感じられなかった。対談もかみ合わなさにもどかしさを感じた。

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