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砂の器 映画の魔性 監督野村芳太郎と松本清張映画

樋口尚文

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480874177
ISBN 10 : 4480874178
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2025
Japan

Content Description

公開から半世紀を経た今も人気の映画「砂の器」。松本清張原作を大胆に映像化した脚本・監督・音楽家による仕掛けとは? 初公開秘蔵資料をもとに秘密に迫る!


《著者情報》
樋口 尚文(ひぐち・なおふみ):映画批評家・映画監督 小社刊行物に『黒澤明の映画術』『『砂の器』と『日本沈没』70年代日本の超大作映画』『秋吉久美子調書』『万華鏡の女 女優ひし美ゆり子』など。

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • パトラッシュ

    映画『砂の器』で橋本忍の脚本が話題になるのは、単純な映画化では退屈になりかねない原作を見事に料理したためだ。しかし野村芳太郎監督がこの映画にかけた情熱あればこそ、今なお語られる名作が誕生したのだ。緻密なコンテから映像と音楽が巧妙にシンクロし、親子の悲劇的な宿命を盛り上げるドラマが計算されていたとわかる。有名なポスターも偶然撮られた写真を使い、主題曲の作曲は芥川也寸志夫人が大学の同期生を推薦し、予想外のヒットで松竹幹部がクビになるなどのトリビアも発掘している。こんな裏があったと知って観直すと一層面白いかも。

  • keroppi

    大変読み応えのある一冊だった。決して名作ではない松本清張の原作を大胆に脚色した橋本忍。それでも論理的破綻のあるシナリオをドキュメントタッチと情緒、感性で押し切った腕力とも言える野村芳太郎の演出。音楽や子役に至るまで徹底した取材でこの映画が何だったのかを解き明かしていく。取り上げられた資料も膨大である。初公開時、私もこの映画に引き込まれ涙してしまった。映画の持つ魔性は、完全であることではなく、それすらも乗り越えて感動を呼ぶものを創り上げていく情熱であり、それが広く人の心に染み渡っていくことなのかもしれない。

  • ヒデキ

    樋口尚文先生による「砂の器」の作品論 野村監督の膨大な資料と関係者へのインタビューから構成されています 初見のコンテや原作から脚本そして映画への転換の流れが、映画作りの楽しさと苦難を伝えてくれます。 先生の論を読んでいると作品を作るために沢山の矛盾と妥協があったことも伝わってしまいました 改めて映画を見てしまいました。

  • ぐうぐう

    労作だ。映画『砂の器』は、松本清張の原作を大胆にアレンジした橋本忍の脚本の功績だけが取り上げられることが多いのだが、樋口尚文はその脚本はもとより、監督を務めた野村芳太郎の演出、映画内で重要な存在感を示す音楽、記憶に残る子役・春田和秀らへのインタビューによる演技、さらには宣伝・興行、そして中国映画界や新世代への今日的影響まで、実に幅広く考察することで、より深い『砂の器』論を展開させてゆく。樋口は「清張作品のなかでは問題点も多い長大な原作を、(つづく)

  • yyrn

    この本は、この映画を高く評価する人には間違いなく「刺さる」本だと思う。制作秘話やシーンごとの監督のこだわり、当時の社会に与えた影響の解説など、私には様々な感情が刺激されて無性に面白い本だったが、当時見ていたからこその刺激だと思うので、映画未見の人には魅力半減かもしれない。でも、何度もテレビで再放送されてきたので、「砂の器」という題名は知られているだろうし、昨年は製作50周年で様々な取り上げ方をされたので興味を覚えた若い人もいただろうか?▼映画を観れば当時の記憶が呼び起こされ、自分史的にも感慨深いし、⇒

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