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エアー 2.0 小学館文庫

榎本憲男

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784094063455
ISBN 10 : 4094063455
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

新国立競技場の工事現場で中谷は不思議な老人と出会う。老人は肉体労働に向いておらず仕事をクビになるが、現場を去る直前、大穴馬券を中心に託す。老人が姿を消した直後、工事現場では爆破事件が起こり、馬券は見事的中する。五千万円の大金を手にした中谷の前に、再び老人が現れ、彼が開発した市場予測システム「エアー」の代理人として、日本政府との交渉にあたるよう依頼される。「エアー」は人間の感情を数値化して、完璧な市場予測を可能にするもので、政府が握るビッグデータをインプットすることで、国家予算を潤すほどの巨額な利益をもたらすものでもあった。

【著者紹介】
榎本憲男 : 1959年和歌山県生まれ。映画会社でプロデューサーをつとめながら、映画脚本も執筆。2010年にフリーとなる。11年、初の劇場映画「見えないほどの遠くの空を」を監督し、同作品の原作小説「見えないほどの遠くの空を」も刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ナミのママ@低飛行中⤵️

    日本政府にまで食い込む市場予測システム「エアー」ってなに?と気になっていた。工事現場でネコ(手押し車)を押す老人の話からどうやってつながるのか。え?ええっ!という展開で話はどんどん膨らむ。2015年発売だが福島の帰還困難区域をはじめ、日本経済の低迷、アメリカとの関係など現実の部分に空想がぶち込まれる。帯に「近未来経済サスペンス小説」とあるがまさにその通りだ。プーッと膨らんでシューッとしぼんで終わるかと思われたこの作品、続編が発売になった。さて、日本がこれからどうなるか見届けたい。

  • 納間田 圭

    東京オリンピックのメイン会場新国立競技場の爆弾事件から始まる。あの”富岳”を超える夢のスーパーコンピュータ…その名はエアー。なんと…空気を読む。ここで言う空気とは…酸素とか大気のそれではなく、世界の人々の心…世の流れ。周囲の雰囲気から状況を察し未来を予知したり次に”なすべき事”を予想する。それって…けっこう金儲けになるらしい。膿んだ馴れ合い資本主義のやり直しも可能だという。円に代わる「カンロ」という名の独自の電子マネー。3.11の帰還困難地域を復興活性化するどころか…独立国家設立にも一役買うところが読み処

  • ぷりけ

    せっかく『紙派』なので、本屋で推している作品は結構買ってみることにしていますが、当たり!でした。人間の感情を数値化して完璧な市場予測を可能にするシステム「エアー」。気付けば、政府・原発・経済そのものまで絡んでくる壮大なスケールの近未来サスペンス。謎のエアー製作者の意図を考えるもよし、主人公になりきって自分なら何を実行するか考えてもよし。文章も読みやすく、中々にワクワクさせていただきました。壮大な分、締め方が重要ですが、そこもとても良かった。

  • kinnov

    手に取った時にタイトルと裏表紙のあらすじから想像した内容とは少し異なっていて、予想外の面白さを満喫できた。社会構築系(と私が勝手にカテゴライズしている)の作品が好きだ。『愛と幻想のファシズム』や『ハーモニー』のような。手触りこそ違え、この作品もそうした系図に列なる良作だ。主人公達の行動、システムが変えて行く社会、発生する既得権益層との軋轢、どれも地続きのリアルさで展開され最後まで目が離せなかった。震災の復興と言うテーマがどこまで有効か私には判断できないが、資本主義を終わらせるべきと言う志向には強く共感する

  • kk

    自分の立ち位置と未来に思い悩む一人の男が、不思議な老人の知己を得て、金だけが全てではない世の中の実現を夢見ながら仲間と共に前に進もうとする物語。あり得ないような壮大なファンタジーですが、そこに込められたメッセージと願いには然るべく深いものがあるように感じました。読後感もとても良かったです。

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